血管は若返る!血流をよくすることが血管年齢を若くする秘訣。血管新生も?
動脈、静脈、末梢血管すべてつなぎ合わせると10万キロにもおよぶ体内を走る血管の長さは、なんと約地球2周半!! 体内の血液量は重さにすると約4~5リットル!!
24時間休みなく体中を駆け巡ってくれている大切な血液と血管についてご紹介します。
目次 |
1.血液の成分について
血液は、血漿が55~60% 血球が40~45%(その内、白血球・血小板が約1%)で構成されていて、血漿成分は約90%が水分ですが、残り10%の栄養成分の中に、ホルモンやタンパク質があり、アルブミン・フィブリノーゲン・グロブリンという成分が存在します。
血球内にある赤血球のヘモグロビンという色素により、血液の色が赤いことは皆知の事実ですが、この赤血球は常に骨髄で造られており、約120日で寿命を迎えます。全身に酸素や二酸化炭素を運搬する大事なお役目があります。
細菌やウィルスから身を守ってくれる白血球ですが、必要以上に増えると血液はドロドロになります。活性酸素の影響で酸化した体内の悪玉コレステロールが多くなると、血管壁にその残骸が残って動脈硬化や血流の妨げになるのです。
2.血流が原因の病気
血栓症とは
血栓とは、血管壁にできるコレステロール(プラーク)や血のかたまり(血栓)のこと。
血栓症は、血管の内側の壁に血小板とフィブリンによって凝血塊が形成され、血管をふさいで血流を悪くしたり、血管からはがれ落ちて細い血管に移動してつまることで起こります。
脳や心臓にも飛ぶこともあり、長時間同じ姿勢で座り続けると血管が圧迫され、足の静脈にできた血栓が血管を移動して肺の動脈をふさいでしまう肺塞栓症(はいそくせんしょう)は「ロングフライト症候群(エコノミークラス症候群)」としてよく知られています。
糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などの人は、血管が傷つきやすく、血栓ができやすくなっています。
脳卒中とは
2種類に分けられます。
1:脳梗塞…脳血管が詰まる ①脳塞栓:心臓にできた血栓がはがれて脳内の血管に流れ込んで詰まる ②脳血栓:動脈硬化のために血管の内側が細くなりそこに血栓ができて詰まる ③一過性脳虚血発作:脳梗塞の前段階症状 2:脳出血…脳血管が破れる ①くも膜下出血:動脈瘤が破れて、くも膜下腔に出血する ②脳出血:脳内の細い動脈がもろくなり破れて出血する |
コレステロール等のかたまり(プラーク)ができ、血流が悪くなると血栓ができ血流が悪くなります。
3.血管年齢について
2016年産業技術総合研究所(茨城県つくば市)などの研究チームの調査結果によると、千葉県南房総市白浜地区と三重県の志摩・鳥羽地区に住む、海女115人(平均年齢66歳)と、運動習慣のある一般女性33人(同64歳)、運動習慣のない一般女性50人(同66歳)について、心疾患などの発症リスクとなる動脈硬化の程度を調べる血管年齢測定を行った結果、
海女の血管年齢は、実年齢と比べ平均で約11歳若いというデータが検証されました。
運動習慣のある一般女性は同約8歳、運動習慣のない一般女性は約6歳若かった。
チームによると、海女は潜水している間、心臓が1回の拍動で送り出す血液量が増えるそうです。海女は、二酸化炭素を一気に吐き出すことで起きる失神を防ぐため、口笛を吹くように細く息を吐く「磯笛」という独特の呼吸法があるという。チームは、こうした要素が動脈のしなやかさと関係している可能性があると推測しました。
「血管年齢」とは
血管年齢は、血管の老化度合いの目安を表す指標。
血管年齢が高い⇒動脈硬化が進行している
血管年齢が低い⇒動脈硬化がそれほど進行していない
ことを表します。
動脈硬化とは、アテローム性動脈硬化を指すことが多く、血管の老化などにより、血管が硬くなったり、様々な物質が溜まることで血管が狭くなったりし、血管内の血液の流れが滞ってしまうこと。
血管年齢の老化の原因
血管年齢の老化の3大原因は
①高血圧 ②高血糖 ③中性脂肪・コレステロールが高い |
といったことが挙げられます。
原因① 高血圧
高血圧になると、血が勢いよく血管内を巡り、血管に負担をかけてしまいます。これが動脈硬化を促進し、血管年齢を老化させます。高血圧になる原因は、塩分の摂り過ぎ、ストレス、タバコ、肥満などが挙げられます。
原因② 高血糖
血糖が体内に入ると、AGEという老化を促進する物質になります。いわゆる「糖化」です。高血糖になると、AGEが血中にたくさんでき、動脈硬化を促進します。
原因③ 中性脂肪・コレステロール値が高い
コレステロールには、善玉と悪玉があります。悪玉コレステロールは、血管に付着し、動脈硬化を促進させます。善玉コレステロールは、血管に付着した悪玉コレステロールを取り除いてくれます。
血中に悪玉コレステロールが多くなると、動脈硬化が進行します。さらに、中性脂肪が多くなると、善玉コレステロールが減り、悪玉コレステロールが増えてしまいます。
結果、悪玉コレステロールにより、動脈硬化が進行します。中性脂肪やコレステロール値が高くなる原因は、脂質の多い食生活、肥満などが挙げられます。
対策
血管を柔軟に強くし、血流をよくするということで今話題なのが「シリカ」です。
天然のシリカ水は、イオン化されたシリカが含有されているので、吸収率が高く、血液内の高糖化・高脂化した血液をサラサラにして健康に、病気予防にしてくれます。
4.血管新生について
血管は、自分自身を修復するだけでなく、ほかの臓器の自然治癒にも積極的に関与しています。体の一部や臓器が損傷されたとき、細胞は常に栄養素や酸素の供給を求めているため、損傷した血管を再生する必要があります。 この既存の血管から新たな血管枝が分岐して血管網を構築することを「血管新生」といいます。
また、生命の発生から個体を形成していう過程で、既存の血管がないところに、新たな血管網が形成されることを「脈管形成」といいます。
血管新生のしくみ ①血管新生促進因子が産生されることが血管新生形成の引き金となる。 血管新生促進因子には、血管の内側を覆う血管内皮細胞を増殖させ、血管形成を促す働きをもつものが多く、その中でも最も有力な因子として知られるのが、血管内非増殖因子(VEGF) ②血中のVEGFは、血管内皮細胞の受容体(VEGFR)に作用すると、血管内皮細胞はマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)と呼ばれる物質を分泌します。 ③MMPは、血管の基底膜を分解することで、血管壁の細胞間の隙間を広げます。そこに内皮細胞が増殖することにより新しい管腔ができ、その周囲に周皮細胞が発生することで安定した血管となります。 |
まとめ
- 血管の長さは総計10万キロというのは、若い人の数値であって、40歳を過ぎると加齢とともに当然血管の長さは短くなります。 血管の長さが短くなると、それだけ体のすみずみまで酸素や栄養素を運べなくなるので、冷え性になったり、体温が下がります。お年寄りの方の体温が低いのは、血管の長さが影響しているようです。
- また、血栓ができ血流が滞ると、血栓症や脳梗塞などの様々な病気になることはよく知られています。
- ただ、年齢を重ねても血管は新生できるということなので、老廃物をためず血流をよくして、適度な運動をすることを心がけましょう。
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