
若返りホルモン\成長ホルモン/の分泌が女性には効果的!その働きとワケ
先日健康管理士としてセミナーを受講した講義内容が大変勉強になりましたのでまとめてみました。 講師は、大阪市立総合医療センター内分泌内科部長 金本巨哲先生です。
テーマは『 知っておきたいホルモンのはたらき 』
目次 |
1.ホルモンの作用について
ホルモンとは
内分泌腺(臓器)より作られて分泌され、血流を介して運搬されて標的となる臓器・細胞に作用する科学物質。微量でその作用を発揮する。臓器だけでなく、心臓や骨、脂肪からもホルモンは産生されて、その数は合計で100種類を超えると言われる。
出典:大阪市立総合医療センター内分泌内科部長 金本 巨哲氏資料より抜粋
ホルモンの働き
- 生殖
- 成長・老化
- エネルギー代謝調節(新陳代謝)
- 体の恒常性の維持 ← これがとても重要!
全身に存在するホルモンは過不足のないように、常に全身の状態に応じて必要量が分泌されるように厳密に調節されています。(フィードバック機構もあり)
つまり。
ホルモン量は、必要以上に多すぎても、少なすぎてもよくない! とのこと。
2.誤診治療で悪化…の恐怖
ところで、生活習慣病といえば、誰もが知っている糖尿病や高血圧症ですが、実は、
内分泌疾患が隠れているということに気づかないドクターも多く、誤診治療で悪化していることが多い、と金本巨哲ドクターは声を荒げておっしゃられてました。
内分泌疾患とは
何らかの理由によりホルモン分泌や作用、分泌調節に異常を来してホルモンに過不足が生じ、その結果恒常性が崩れることにより発症する病気のこと。
つまり。
糖尿病だと診断されたのが実は、 先端巨大症やクッシング症候群だったり
高血圧症だと診断されたのが実は、原発性アルドステロン症や褐色細胞腫だったり
その誤診率なんと 18%!!(日本内分泌学会資料より)
金本ドクターのところに駆け込んでこられた多くの患者様の中での誤診例
◆誤診の実例◆
69歳女性
55歳より骨粗鬆症治療を行っていたにも関わらず、67歳から複数の脆弱性骨折が多発。
金本ドクターが診断した病名は
【サブクリニカルクッシング症候群(左副腎腫瘍)】
【治療方法】腫瘍摘出をしただけでホルモン量が正常値に近づき改善
他にも数多くの実例列挙で、講義中みんなビックリ&質問の連続でした。
もちろん、医師も神ではないので、誤診もあるかと思いますが、体の不調に気づき通院しているにもかかわらず、誤診治療で悪化するのはやはり悔しいですよね。
もし、生活習慣病という病名診断で治療していても一向に改善がなければ、ホルモン分泌量の異常を疑って、内分泌内科(ホルモン治療専門)を再受診されることをおすすめします。
3.若返りホルモン:成長ホルモンについて
若返りと若作りとは大きく違います。同じ年齢なのに「見た目年齢」は人それぞれです。一体何がその差を分けているのでしょうか?
そのカギとなるのは、若さを保つ「成長ホルモン」だといわれています。
成長ホルモンはその言葉から「子どもの成長期に必要なホルモン」「身長をのばすホルモン」などとしてよく知られていますが、実はその働きだけではなく、筋肉や骨の萎縮を防止し、体脂肪の増加を抑える働きがあります。
筋肉や骨の萎縮は「老化」を意味します。なので、それらを抑える成長ホルモンは『若返りホルモン』とも呼ばれています。
成長ホルモン(GH)/インスリン様成長因子(IGF-1)の働き
成長ホルモンはアミノ酸で構成される物質で、おもな働きとしては
- 正常な骨の成長と、骨量を正常に維持
- 心臓の駆出機能を正常に維持し、心筋の機能を高める
- 脳の疲労回復・思考力・記憶力・意欲を高める
- 脂肪の燃焼・代謝を促す
- 生殖機能を正常に維持する
- 免疫機能を亢進する
- 肝臓・腎臓の機能を調節・促進する
などがあり、すごく微量なホルモンが体全体のあらゆる機能をうまく調節して維持してくれているのがわかります。 一生涯絶対必要なホルモンですね!
睡眠不足で成長ホルモンの分泌が減少すると
人間の体は、交感神経・副交感神経という二つの自律神経により支えられています。
交感神経は日中の活動期に優位になり、副交感神経は夜間や睡眠中に優位になります。
一般的には夜間や就寝中の副交感神経が優位な時に成長ホルモンは分泌されるため、ぐっすり眠ることで肌組織の再生が促進されて美肌効果があります。
つまり、睡眠不足で成長ホルモンの分泌が減ると、下記のような悪害ばかりになります。
- 身長が伸びにくくなる
- 疲れがとれない
- 病気への抵抗力が下がる
- 肌の老化
- 脂肪の増加
- 太りやすくなる
成長ホルモンを増やす方法
上質な睡眠をとるということ以外に成長ホルモンを増やす方法としては下記があります。
①オルニチンやアルギニンを含む食材を食べる
アミノ酸は細胞をつくるのに不可欠な栄養素であり、特にアルギニンは成長ホルモンの分泌を活発にする働きがあります。大豆製品(豆腐、納豆、豆乳、きなこ)魚介類(マグロ、しらす、えび)肉類、ナッツなどを食べましょう。
②適度な運動をする
運動をすると筋肉の中には乳酸やアデノシンなどといった代謝物が発生します。これにより感覚神経が刺激され、その信号が脳の下垂体に伝わり成長ホルモンが分泌されます。
つまり、運動による肉体的な負荷がかかることで成長ホルモンが分泌されて、骨や筋肉が活性化するのです。
まとめ
- 微量なホルモンが体全体の恒常性を維持しているので、その量は多すぎても少なすぎてもダメ。
- 生活習慣病だと思っていたら、実は、ホルモン分泌量が原因だったという誤診治療の現場の事実がある。
- 若返りホルモン:成長ホルモンは一生涯絶対に必要な必須ホルモンである。
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