
老化を防止したいの!若返りのカギを握る【テロメア説】と老化の原因を知る
*このコンテンツは2019.5.4にリライト更新しました。
今日のテーマは『老化』
40代ぐらいからでしょうか…同い年なのに「見た目年齢」でずいぶんと差が開きはじめてきます。 自論で恐縮ですが、多分、そもそもの角度∠は生来変わってないのに、2辺が伸びるほどその差が大きく見えるのではないでしょうか…
一般的に女性の方が長生きすると言われています。 旦那が亡くなってから活き活きしはじめ長生きする、という女性は多いですが、これは世界的にみられるそうで、しかも、生物学的に証明できるそうです。 今日はたっぷりと「老化」についてご紹介します
1.女性が長生きする理由
老化度チェック
下記の項目でチェックが多いと老化が進んでいる可能性があります。皆様はいくつ該当がありましたか?
□同窓会で「老けた」と言われたことがある
□口臭や体臭が気になる
□薄毛が気になる、抜け毛が増えた
□肌にハリがなく、乾燥しやすくなってきた
□疲れやすい
□両親や兄弟姉妹が早期にガンや心臓疾患、糖尿病になっている
□机上の仕事が多く、運動不足である
□緊張するタイプである
□現在、仕事をしていない
□現在、独身あるいは一人暮らしである
□今、不幸せだと思う
□1日に1合異常のアルコールを飲む
□1日にたばこを1箱以上吸う
□標準体重より5kg以上超えている
□炭水化物や脂質に偏る食生活である
□最近、健康診断に行っていない
女性が長生きする理由とは
①男女で大きく異なるホルモンの分泌量
女性ホルモンであるエストロゲンは、内臓脂肪や血中コントロール、骨代謝をコントロールする働きがあるため、分泌量の多い女性を動脈硬化や骨粗しょう症から守っていますので、閉経前の女性は、男性よりもこうした病気にかかりにくくなっています。
②女性の方が基礎代謝量が少ない
基礎代謝量が少ない方が、エネルギー代謝の副産物である活性酸素ができにくくなります。(活性酸素は老化の原因の1つと考えられています。)
③DNAの染色体の違い
細胞の核の中には、23対の染色体があり、そのうちの1対が性を決定する性染色体。性染色体にはX染色体とY染色体の2種類があり、女性はX染色体が2つ、男性はX染色体とY染色体という組み合わせですが、このX染色体は免疫機能に関係するDNAが備わっており、女性は2つ持ち合わせているので、片方が欠損してもカバーできるという理由が考えられています。
2.遺伝子による『老化』:テロメア説
細胞分裂の限界!?『テロメア説』
私たちの身体では、常に細胞分裂が繰り返されていますが、その回数には限りがあると考えられています。 それを決めているのが細胞の『テロメア』と呼ばれる部分です。
テロメアは細胞核の中にある染色体の先端部分にある構造物のこと。その染色体を構成しているものがDNAです。 テロメアは、私たちの大事な遺伝子情報がつまった染色体がバラバラにほどけることがないように保護したり、染色体同士がくっつくのを防いでいます。
若い細胞は、テロメアが長いのですが、細胞の機能維持のために細胞分裂を繰り返すたびにテロメアが短くなり…テロメアの長さの限界になると細胞分裂が止まります。細胞分裂の回数には限界があり、生涯で約50-60回です。
テロメアが短縮すると、細胞の機能が低下し、皮膚や内臓、血管、脳、骨などで老化を引き起こし、動脈硬化や心筋梗塞、アルツハイマー病、骨粗しょう症などを引き起こす可能性が高くなる、と考えるのが『テロメア説』です。
テロメアは寿命を規定するような働きをすることから「生命の回数券」とも呼ばれています。いわば、テロメアは、「染色体のしっぽ」で、見た目が若いヒトほどテロメアが長いということです。
また、細胞は、病気によって死滅した細胞を補充するために分裂するので、肥満や高血圧、糖尿病などにともなう細胞の死滅によってテロメアが短くなるスピードがどんどんはやくなり、老化が進みます。 運動のしすぎや食べ過すぎ、肥満や心労などで発生する活性酸素は、テロメアの塩基配列を特に分解するため、老化を進めます。
ただ、無限に増殖するがん細胞では、テロメラーゼが活性を高めているので、ガン細胞は無限に分裂増殖することを可能にしています。このガン細胞の中でテロメラーゼの働きを抑えることができれば、治療に応用できる可能性があると考えられています。
テロメアを長く保つ注目の【葉酸】
免疫力を高め、抗酸化力のある食品…たとえば全粒穀物とか食物繊維を多く摂ると、テロメアは長く保たれます。 テロメアの長さを維持する栄養素として、特に注目されているのが レバーや緑黄色野菜、果物に多い「葉酸」です。
葉酸の欠乏によって、血管や神経を損傷する「ホモシステイン」という悪玉アミノ酸が血中に増えて、テロメアを短縮させるからです。
健全な生活スタイルによって、テロメア短縮のスピードが遅くなる!! テロメア短縮を防ぐ(=老化防止)
テロメア短縮を加速(=老化加速)
|
3.酸化による『老化』
酸化とは、たとえばリンゴの褐変(りんごを切って空気に触れると茶色に変わること)や金属のサビなどでよく見られる酸化反応です。 体内でもいわゆる酸化作用を起こす犯人は「フリーラジカル」という付体電子をもつ原子(分子)のこと。
「活性酸素」と聞けばお分かりですよね?
ミトコンドリアから老化する!?
呼吸による活性酸素の発生源は、細胞内のエネルギー(ATP)産生工場「ミトコンドリア」です。体内に取り込まれた酸素は、全身の細胞へと運ばれ、エネルギー代謝を行うための材料として使われます。
しかし、その中の約2%がエネルギー代謝の過程で異質な酸素に変わってしまい、この酸素は電子の数が1つ半端で不安定な状態なので、電子の状態を安定させようと、正常な細胞から電子を奪おうとします。 このように活性が高い酸素を活性酸素といいます。
活性酸素から電子を奪われた細胞は正常な活動ができなくなり、やがて死滅。 …これが老化の原因です。 このように活性酸素はミトコンドリアから発生し、徐々にパワーを強化しながら、細胞や血管、遺伝子に攻撃していきます。
活性酸素と戦う味方がいる!?
人間の身体には、活性酸素を処理する機能を備えていて、これが多いほど老化が抑えられます。その一つが『抗酸化酵素』です。
全身の細胞に配備されている抗酸化酵素の中で、第一線で働くのは「スーパーオキシドジスムターゼ(通称:SOD)」です。
ただ、第一の酵素であるSODの働きは加齢とともに衰えていき、40代を過ぎるあたりから一気に低下していきます。そのため細胞内に発生した活性酸素を素早く処理できずに、活性酸素が増えやすくなっていきます。
活性酸素が増える原因というのは…
紫外線・たばこ・ストレス・食品添加物・大気汚染などのさまざまな要因が引き金になって発生しますが、激しい運動でも増えるといわれています。
適度な運動習慣をつけることで抗酸化酵素をつくる細胞は適度に鍛えられるので、激しい運動は避けましょう。
まとめ
- 女性が長生きする理由は、旦那様を看取った後にのびのびできるからだけではなく、男女ではホルモン分泌量が違っていたり、DNAの染色体の違いがあるから。
- 生命の回数券とも呼ばれている「細胞のテロメア」は、細胞分裂を繰り返すたびにテロメア部分が短くなり、染色体のシッポといわれている。見た目が若い人ほどテロメアが長い。
- 直接的に影響を及ぼしている活性酸素の働きをいかに抑え込むかが老化のスピードをコントロールするカギ。