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毛細血管を増やせ!そのキーワードは、自律神経・アンチエイジングホルモン!

加齢とともに毛細血管が減少していくことは以前から知っていました。毛細血管がなくなるということは、体の隅々まで酸素と栄養が届かなくなることは理解できる話。 でも、自律神経が毛細血管をコントロールしているのは知らなかった!そして、その増やし方も… 根来秀行教授の研究内容をまとめました。



1.全身の血管の99%が毛細血管!


動脈や静脈は単に血液を運ぶのが主な仕事ですが、血液循環の主役は毛細血管。動脈と静脈をつなぐ極細(直径は約100分の1mm:髪の毛の10分の1)の血管で、全身に網の目状に分布しています。(総数:約100億本・長さ:約9万9000km/地球2周半ぐらい)


全身には約36兆個の細胞がありますが、どの細胞も必ず0.03mm以内に毛細血管が存在していて、すべての細胞ひとつひとつに酸素や栄養素を届け、二酸化炭素や老廃物を回収している、まさに物々交換の最前線現場が毛細血管です。


毛細血管のはたらき

  1. 酸素・栄養・ホルモンを届ける
  2. 老廃物・二酸化炭素を回収する
  3. 体温を維持する
  4. 体を守る(免疫力


3層構造の動脈や静脈と違い、1層のみ。この細さが抵抗となって血流が減速し、細胞との物々交換がきちんと行える。血管壁に点在している周皮細胞は、毛細血管に損傷があると活性化してコラーゲンをつくり傷を修復したり、新しい血管を作るサポートをする。


2.毛細血管の量は60代で4割減る!


体を健康に保つために必要な毛細血管ですが、加齢とともに劣化し、数が減ります。


毛細血管を構成する内皮細胞同士の隙間が必要以上に開いたり、内皮細胞と周皮細胞との間に隙間ができることで、栄養素と水分、老廃物などが漏れ出る箇所が出てきます。 また、高血圧や高血糖、脂質異常が続くと、血管の細胞が壊されたり、毛細血管の内壁に汚れがたまったりすることで血管の弾力性が失われます。 


さらに悪化すると、血管内が狭くなって血管がつまり、管はあるのに血液が流れていないゴースト血管になり、使われなくなった毛細血管はやがて脱落・消滅していきます。


●45歳から少なくなり…60歳からは4割減る


健康な毛細血管の内皮細胞は1000日くらいで新しい細胞に入れ替わるのですが、40代ぐらいからは新陳代謝されることもなく死んでいく細胞が徐々に増えていき、60代では毛細血管の数が4割減少します。


最前線現場である毛細血管が劣化・消滅していけば、動脈や静脈の細胞にも酸素や栄養素が行き渡らなくなります。すると、不要な老廃物や水分が排泄されないまま、どんどん体内にたまってしまうのです。


●老化の自覚症状は、毛細血管の劣化?


①皮膚

まさに「肌は内臓の鏡」で、皮膚は体の一番外側にあるため、毛細血管の状態がダイレクトに反映されます。 酸素や栄養が皮膚の末端にまで届かなくなるために、細胞の新陳代謝が鈍くなり、古い角質が肌に張りついて、ハリがなくなり、たるみやくすみ、シミ、シワが出てきます。


②頭皮

頭皮では毛母細胞に栄養素が行き渡らず、髪のパサつき、抜け毛、薄毛、白髪など、地肌や髪が老化します。


③粘膜

粘膜は毛細血管が水分を運んできてくれるからこそ、湿度を保っていられるのです。目、鼻、口、喉、胃、腸、膀胱、子宮、膣、肛門などあらゆる部位にある粘膜の毛細血管が衰えれば、水分不足に陥り、ドライアイ、充血、目の痛み、鼻炎、鼻血がでやすい、口内炎、胃腸炎、膀胱炎、性交痛、膣炎、痔などその部位に炎症を引き起こします。



3.毛細血管は誰でも増やせる!


加齢に伴う毛細血管の質と量の低下を最低限に食い止め、弱っている毛細血管を復活させ、健康な毛細血管を増やすことはできます。


例えば、ある毛細血管がダメージを受けて血流が悪くなり、その毛細血管が関係する組織の細胞が酸欠や炎症を起こした場合、そこに酸素や修復するための細胞を届けるために、その場所に向かって新しい毛細血管がにょきにょきと伸びていくのです。


このメカニズムについては、内皮細胞にくっついている周皮細胞が、毛細血管を新しく生み出すための細胞を供給していることが最近の研究でわかってきました。 ただ、紫外線の刺激で発生する不完全な毛細血管はシワの原因に、がん細胞は自らの血管を増やして増殖するなど、不健康な血管新生もあります。



4.毛細血管を増やす究極メソッド


●自律神経を整えることを常に意識して!


毛細血管のはたらきは自律神経によってコントロールされているので、まずは自律神経のメリハリをしっかりつけることが重要。自律神経には、体を使うための交感神経と、休息のための副交感神経があるので、日中は交感神経を、夜は副交感神経をしっかり働かせることで、血管の収縮と拡張を切り替え、血流を巡らせ、酸素や栄養素、ホルモンを必要な場所までしっかり届けています。



メソッド① 7時間睡眠が基本


細胞の新陳代謝を促し若さを保つ成長ホルモンは、最も深い眠りが訪れる寝入りばなの3時間にピークを迎え、残りの4時間で毛細血管によって全身に運ばれ、体を修復するので、睡眠時間が短いと、せっかく成長ホルモンが分泌されても、宝の持ち腐れになってしまいます。


4時間睡眠が3日間続くと、血圧や血糖値が上がって、がんを発症しやすい状態になるというデータも。たった3日でも寝不足が続けば、毛細血管が傷つき、細胞や遺伝子レベルにまで被害が及ぶので、慢性的な寝不足では老化が加速することは間違いありません。


睡眠ホルモンのメラトニンを増やすには、早起きして朝日を浴びること。毎朝、決まった時刻に朝日を浴びる習慣をつけると、体内時計がリセットされ、体内リズムが整い、その夜にはメラトニンがたっぷり出て、毎晩々時間に入眠しやすくんり、全身の毛細血管を劣化させないことに繋がります。


睡眠中の人の脳の髄液をMRIで観察して、睡眠中に副交感神経が優位になると脳室(脳脊髄液がつくられる脳内の空間)が変化することが視覚的に確認された(根来教授研究チーム)


メソッド② 血流upには適度な運動


毛細血管を増やすのに最も有効なのは、5分筋トレ+15分有酸素運動を繰り返すこと。 筋肉を鍛えてから有酸素運動をすることで、眠っていた毛細血管が酸素や栄養などを筋肉細胞に運ぶために、新しい毛細血管がつくられるのです。


有酸素運動で鍛えられるのは持久力に関係する “ 赤筋 ” ですが、赤筋は毛細血管が多く、有酸素運動を行うと、酸素や栄養を補おうとして新しい毛細血管を生み出していきます。


筋トレは加齢とともに衰えやすい下半身を中心に。第2の心臓と呼ばれるふくらはぎを鍛えると末梢の血流が増加し、毛細血管を増やせます。


マラソンのような激しい有酸素運動は、フリーラジカルを生み出すので逆効果。リズミカルにウォーキングすることがおすすめです。(リズミカルに歩くと、セロトニンを活性化できます。)

目安としては、成人男性では、1日9000~1万歩。成人女性では、1日7000~8000歩ぐらい歩きましょう。



メソッド③ マインドフルネスな状態をつくる


ストレスが続くと交感神経が優位な状態が続き、毛細血管が収縮し血流が悪化。ストレスホルモンも過剰に分泌され免疫が低下します。


呼吸法は、自律神経を自分でコントロールする唯一の方法。深い呼吸で息を吐くときに、横隔膜にある副交感神経センサーが刺激されて、副交感神経が優位になります。湯船につかったときとか、寝る前に腹式呼吸をすると体がリラックスモードになります。


アメリカで注目されているマインドフルネスは、瞑想などを通じて、今この瞬間の現実に意識を向け、雑念にとらわれず、あるがままに受け入れる心の持ち方のこと。 ストレスが軽減し、脳の休息になります。


一番のオススメは、ゆったりと深い呼吸をしながら湯船につかります。 その時間は余計なことは考えないで、ただ入浴を楽しむようにして。 リラックスしたバスタイムは、弱った毛細血管を復活させる最適な方法の一つです。 


夏は38~40℃、冬は38~41℃ぐらいの少しぬるめのお湯に肩までしっかりつかって10分程度、腹式呼吸を繰り返して、副交感神経を優位にしてリラックスしましょう。



メソッド④ 必ず朝食を食べて体内時計をリセット


朝日を浴びて1時間以内に朝食をとると、腹時計内の時計遺伝子が刺激され、全身が地球に合ったリズムで動き出します。朝食抜きは、逆に臓器に負担をかけることになります。もちろん、夕食抜きや21時以降の食事もNG。 


アンチエイジングホルモンの分泌を妨げ、不眠や肥満につながります。3食規則正しく食べて、体内時計を整えることが、全身の毛細血管の劣化を防ぎ、太りにくく、老けない体への近道になります。


また、血液をドロドロにして毛細血管をサビさせるフリーラジカルに対抗するためのマストフードは抗酸化食材。 トマトのリコピン、にんじんのβ―カロチンなど。 血糖値が過剰になると血管の内皮細胞がダメージを受け、特に栄養吸収する小腸粘膜の毛細血管に大きな負荷がかかるので、毛細血管の健康を保つためには、血糖値を急激に上げないことが肝心。血糖値を上げにくい低GI値の食品をとり、血糖値を急上昇させる早食いを防ぐために、ひと口30回噛むことを心がけましょう。








田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】
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