
“ 眠り ”のスゴイ効果!“ 睡眠 ”の質を高めて、若返り効果を上げる
みなさまはちゃんと眠れていますか? 睡眠時間はとれていますか?
しっかり眠ることの恩恵は私たちが思っている以上に効果は絶大です。これから寒くなる季節、免疫力をつけて風邪などひかないようにするためにも、良質の睡眠を心がけましょう。まずは、睡眠の多大なる効果をご紹介します。
1.若返り効果をもたらす2大ホルモン
【成長ホルモン】が老けないカラダをつくる
忙しいとなかなか睡眠時間をとれなくなったり、また寝つきが悪くてぐっすり眠れないという方も多いと思いますが、美と健康への睡眠の効果は想像以上に絶大。その鍵を握るのが、睡眠中に分泌されるホルモンです。
睡眠は、若返りのための再生工場ともいわれ、その工場の働き手として欠かせないのがホルモンです。その代表格が「成長ホルモン」
成長ホルモンには、子どもの体を大きく育てる働きがありますが、大人になってからも体でさまざまな働きをします。
成長ホルモンの若返り効果 ①全身の細胞を修復。
傷ついた体の組織を修復し、疲労や体力を回復させ、体の機能を正常に保ち、老化を防止。 ②ハリのある肌をつくる 肌組織の修復・再生を促し、新陳代謝を活発にするはたらきによってハリと潤いのある肌を作ります。 ③筋肉を増強し、骨を丈夫にする。 傷ついた筋繊維を修復し、筋肉を増強したり、骨を育て丈夫にする。 ④免疫力を強化する。 体を修復し、体力を回復させるはたらきによって免疫力を高め、さまざまな病気を防ぐ。 他にも…脳の働きをよくしたり、視力をよくしたり、脂肪を分解し、エネルギーとして使う、 などのはたらきもあります。 |
成長ホルモンをしっかりと分泌させるのに不可欠なのが十分な睡眠です。 成長ホルモンの約70%は睡眠中に分泌されるので睡眠不足だと分泌量が減ります
成長ホルモンの分泌は加齢とともに減り、40歳では20歳の頃の半分に、60歳では4分の1ほどに減少。それに睡眠不足も加わったらさらに分泌量が減り、老化が進むうえ、体に不調が出たり、太りやすくなったりと、トラブルが続出。これを防ぐためにも良質な睡眠をとるべき。
【メラトニン】が良質な睡眠をもたらし若さをキープ!
メラトニンは暗くなると分泌される睡眠ホルモンのこと。 メラトニンも、病気にならないカラダづくりと、若返りには欠かせないホルモンです。
メラトニンの分泌量も加齢とともに減少します。年をとると眠りが浅くなったり、朝早く目覚めるのはこのこととも関係しています。
メラトニンの若返り効果 ①眠りを誘い、良質な睡眠をもたらす 朝起きて太陽の光を浴びるとその約15時間後にメラトニンが分泌され、眠気がもたらされます。 そして、その分泌が盛んになると眠りに落ち、深い眠りに入ります。それを合図に成長ホルモンが分泌されるので、メラトニンは成長ホルモンの分泌を呼び込むうえでとても重要な役割があるのです。 ②高い抗酸化作用がある メラトニンの抗酸化作用の効果は、これまでに発見された抗酸化物質の中で最も強いといわれています。カラダのサビを取り、シミやシワを防ぎ、動脈硬化やがんなどの病気も防ぎ、老化を防ぎます。 ③免疫力を高める カラダの中で免疫機能を担うリンパ球というグループの細胞の中で、T細胞をたくさん作らせるはたらきのあるのがメラトニンです。メラトニンがたっぷり作られると、T細胞もたくさん作られるので、免疫力が高まり、風邪をひきにくくなったりします。 ④成長ホルモンの分泌を促す メラトニンの分泌が高まり深い眠りに落ちると、それが成長ホルモンの分泌を呼び込み、その活動がはじまります。 |
2.睡眠の質を高める5つのコツ
① ふたつの若返りホルモンの分泌時間が重なるように寝る
睡眠中の若返り効果を高める秘訣は、成長ホルモンとメラトニンの分泌時間が重なるように寝ること。成長ホルモンの分泌が高まるのは、入眠後3時間の眠りが最も深くなる時間帯。メラトニンは起床後朝日を浴びてから15~16時間後に分泌がはじまり、その後2~3時間でピークになるので、2つのホルモンが同時に分泌されると若返り効果が数倍にアップします。6時に起床し、23時に就寝するのが理想的。
② 睡眠時間の長さのベストは「7時間」
アメリカの研究で最も死亡率が低く、長生きだった人の睡眠時間は7時間で、それより長すぎても短すぎても死亡率が高いという報告があります。6時間以下だと血糖値を上げる遺伝子が活性化し、体内の炎症が起きやすく、また睡眠中に分泌されたホルモンが全身に届き、修復を十分に行うにも7時間が理想的。7時間以下だと、太りやすいというデータもあります。 この「7時間睡眠」は、きちんと寝ている時間を7時間確保するということで、ベッドに入っているだけの時間は含まれないそうです。
もし足りなければ… 「昼寝を午後3時までに15分以内でとる」ことは効果的。
③ 夕食は2時間前・入浴は1時間前まで
眠っているときに胃の中に食べ物がきちんと消化されていないまま残っていると、心身を活動モードにする交感神経が刺激され、眠りを妨げるので、夕食は寝る2時間前までに済ませましょう。もちろん、腹八分目をこころがけて!
深部体温は明け方に最も低くなり、最も高くなるのは、午後7時~9時。この後、深部体温が下がりはじめます。体温の下がり具合が急なほど寝つきがよく、深い眠りにつけるので、寝る1時間前に入浴していったん体温を上げてから寝ると深い眠りにつけるので、大変効果的!
もちろん… 寝る直前までのスマホやパソコンはNGです。
④ 日中に筋トレ+有酸素運動して活動的に過ごす
日中は活動的に過ごし、夜はリラックスして過ごすといったメリハリのある生活をすると、交感神経と副交感神経のバランスが整い、夜に自然と副交感神経が優位になるので、睡眠の質がよくなります。日中ダラダラ過ごしたり、夜遅くまで仕事をするのは避けましょう。
また、日中の活動量を上げ、睡眠の質を高めるためには、運動の習慣をつけることは大変効果的。筋トレをすると成長ホルモンが分泌されて脂肪が分解され、燃焼しやすい形に変わり、この後に有酸素運動を行うと、脂肪が燃えるので、ダイエット効果も得られて若返りになります。
有酸素運動の中でも、リズム運動になるウォーキングは、メラトニンの材料となる脳内物質のセロトニンの分泌も増やします。
⑤ メラトニンの材料となる「トリプトファン」を含む食品をとる
メラトニンの材料になるのが脳内物質のセロトニンですが、そのセロトニンの材料になるのが、必須アミノ酸のひとつのトリプトファンです。 必須アミノ酸は、体内で合成できないので、食べ物から取り入れるしかありません。
トリプトファンを多く含む食品が、納豆や豆腐やきな粉などの大豆製品、牛乳やチーズやヨーグルトなどの乳製品、ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類、卵黄、アボカド、バナナなど。
成長ホルモンを作るには、ビタミン類やミネラル類、アミノ酸などが必要なので、肉や魚、野菜、果物とさまざまな食品をバランスよく食べましょう。
3.眠りに関する病気について
【不眠症】
寝る時間は十分にあるのに眠れないのが不眠症。不眠症には、ショックな出来事があったなどで一時的に不眠になっている3ヶ月未満の短期睡眠障害と、3ヶ月以上続いている慢性睡眠障害とがあります。病院では、睡眠薬処方が中心ですが、薬に頼りすぎるのはオススメできません。 眠れないことに神経質にならず、日中活動的に過ごすことが一番の改善策です。
【睡眠時無呼吸症候群(SAS)】
睡眠中10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上ある状態をいいます。睡眠時に舌が喉に落ち込み、気道がふさがれて呼吸が止まることが原因で、あごが小さい人や肥満の人がなりがちです。 専用のマウスピースや専用マスクなどがありますが、軽症なら横向きにするだけで改善することもあります。日中に強い眠気がある人は、SASの可能性もあるので受診をオススメします。
【ナレコプシー】
2000人に1人の割合で発症する、日中の重要な場面でも居眠りをしてしまう病気。脳のオレキシンという物質をつくる神経細胞が壊れることが原因で、大きく4つの症状があります。
- 会議や運転中など日中の重要な場面で寝てしまう睡眠発作がある
- 驚いたり大笑いしたときに体の力が抜けてしまう情動性脱力発作がある
- 寝始めに夢か現実かわからない幻覚や幻聴が起こる
- 入眠期に金縛りのように体が動かなくなる睡眠麻痺が起こる
【ムズムズ脚症候群】
日本人では20~50人に1人の割合で発症する、寝ているときに脚や体がムズムズして睡眠障害が起こる病気。脳のドーパミンという神経伝達物質の機能障害が原因で、多くは、大腿部の内側などがムズムズし、脚を動かさずにはいられない感じがあります。パーキンソン病の治療薬であるドーパミンのはたらきを強める薬で改善します。また、女性に多い、鉄欠乏症になると、ドーパミンの合成が十分に行われず、この病気になることもあります。