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更年期(menopause)IQを高めてポジティブに向き合ったもの勝ち

更年期っていうと、40代、50代の女性の代名詞みたいに思われていますが、発現年齢や症状には個人差があり、30代からはじまる人、もしくは男性にも症状がでる人もいて、ホルモンバランスの崩れから、実は誰にでもくるものです。全般的な知識をご紹介いたします。




1.更年期の基礎知識


●更年期ってナニ?


更年期とは、加齢により卵巣の機能が低下して、女性ホルモンの分泌量が減少し、やがて閉経を迎える時期のことを指し、45歳頃から顕著になる卵巣が老化する時期のこと。 閉経の平均年齢が50.5歳といわれているので、その前後の10年間、個人差はありますが、一般的には45~55歳を更年期とよばれています。


閉経に向けて月経周期が不順になっていくのが一般的。平均的には3年くらい、月経期間が短くなったり、長くなったり、周期が大幅に乱れる、だらだらと続くといった月経不順が続き、やがてなくなる方が多く、一方で、すぱっと終わられる方もいらっしゃいます。 月経のない状態が12ヶ月以上続いたら閉経でしょう。

月経周期が乱れる頃の女性ホルモン(エストロゲン)量は平均50pg/ml ですが、閉経後には、5pg/mlまで低下します。卵巣からはほぼゼロになり、脂肪組織などから分泌される、ごくわずかな量になります。


●どんな症状なの?


一言でいうと、自律神経にかかわる不定愁訴が起こります。更年期になると、エストロゲンを分泌する卵巣機能の低下により、分泌を指令する脳との連携がうまくいかなくなります。エストロゲンが減っていることを察知した脳下垂体が、卵胞刺激ホルモン(FSH)を出して、もっと分泌するように指令を出し続けます。そのため、脳下垂体のそばにある自律神経にも影響が出るのです。自律神経は、全身に関与しているので、、その症状は実に多岐にわたります。(自律神経は心身を安定させるための重要ファクター!!参照)


閉経前によく現れるのが、ホットフラッシュ(急激なほてり)や多汗。他には、肩こり、めまい、動悸、息切れ、気分の落ち込み、鬱、イライラ、頭痛、不眠、冷え、疲労感、手足のしびれやこわばりなど。閉経後には、粘膜の乾燥や尿もれなども。症状や重さは千差万別で、軽度な人から寝込むほど重症の人まで、予測できないのが現状です。


CHECK TEST

よくある更年期の症状をセルフチェック

  • 疲れやすい
  • 顔がほてる
  • 汗をかきやすい
  • 首や手足が冷えやすい
  • 息切れ、動悸がする
  • 寝つきが悪い、眠りが浅い
  • 怒りやすく、イライラする
  • くよくよしたり憂鬱になる
  • 頭痛、めまい、吐き気がよくある
  • 肩こり、腰痛、手足の痛みがある




●女性ホルモンのはたらきとは?


女性にとって、とても重要な女性ホルモンは、肌や骨の老化などを防止する役割があるといわれています。 エストロゲンを分泌する卵巣の老化は、目に見える兆候はなくても、31歳頃から細胞レベルで始まり、41歳以降は顕著になります。そして、閉経後、エストロゲン量は限りなくゼロに近くなります。


エストロゲンは妊娠以外にも、私たちの体の中で多くの働きをしていて、①肌や髪を美しく保つ ②代謝を助ける ③骨や関節の健康を守る ④血管の老化や脳神経の老化などにも影響 しています。


よって、その恩恵が減ってしまう更年期以降は、肌や髪の老化が進み、内臓脂肪がつきやすくなり、生活習慣病のリスクが高まるなど、いろいろなことがはじまります。 また、更年期になると骨量が減るために骨粗しょう症や認知症になりやすくなります。 だからこそ、この更年期に、一度きちんと自分のカラダと向き合い、人生後半を楽しく、健康に、有意義に過ごすために、今までの生活習慣・食生活・健康管理と、思考パターンの点検をする必要があるのです。




●対処方法とは?


更年期症状は個人差が大きいのですが、あまりのつらさを感じたら、更年期外来を掲げている婦人科で受診しましょう。病院での治療はホルモン補充療法(HRT)と漢方療法の二つが主流。薬剤に抵抗がある方は、HRTと漢方の併用をしても大丈夫です。医療プラセンタや鍼灸などもあります。 


HRTは減ってしまった女性ホルモンを補い、底上げすることで、症状をやわらげる療法。特にホットフラッシュ、肌の老化、不眠やうつ症状に効果的。また、将来起こりやすくなる、骨粗しょう症や動脈硬化などの予防も期待できます。飲み薬や貼り薬などがあり、副作用としては、長期使用により乳がんのリスクが多少高くなる、とのこと。健康保険が適用になる治療法ですので、HRTに詳しく、じっくりカウンセリングに時間をとってもらえるドクターがいるところをきちんと調べて受診することをオススメします。


また、昔から使われている漢方は、複数の生薬で構成されているので1剤で多様な症状に対応でき、副作用が少ないのがメリットです。漢方というと、じわじわゆっくり効くので長期間飲まなくてはいけないというイメージがありますが、2週間ほどで改善の実感があることも多く、早い人なら3日で効果がわかることも。 即効性のある漢方も少なくないので、症状が改善したら服用を終了する漢方もあるとか。


更年期の三大漢方薬



●加味逍遥散(かみしょうようさん)


「気」と「血」が乱れている場合に処方されることが多く、イライラや抑うつ感、無気力といった精神症状が強い人向け。ホットフラッシュ・不眠・精神症状がある方にオススメ。



●桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん


主に「血」の巡りを整える漢方薬で、ホットフラッシュやのぼせの症状に対して薬理効果が認められています。ホットフラッシュに悩んでいるけど、乳がんなどを経験してHRTが使えない方にオススメ。



●当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)


特に「血」と「水」の異常をカバーする漢方薬。脳にもよく、睡眠の質もあがって、膠原病や関節リウマチのような自己免疫疾患の改善にも使われ、更年期全般の症状と、特にむくみや冷えなどのある方にオススメ。




2.更年期とよく似た他の病気の症状

更年期に現れる症状は100種類以上あるといわれています。そのため、体の不調を更年期のせいと決めつけて、病院へ行かず、他の病気を見過ごしてしまうこともあるとか。 自己判断は禁物です。


●うつ病と、更年期のうつ症状の違い


更年期のうつ症状は、女性ホルモンの乱れが原因で、その結果自律神経が関係してうつ症状が出現します。精神科の鬱病は脳機能に問題による病気。血中の女性ホルモンやうつのときに低くなるセロトニンなどを計測し診断します。


●更年期の発汗、動悸は甲状腺の病気かも


更年期とよく似た症状は、甲状腺の病気でも現れます。甲状腺ホルモンは体の新陳代謝を司るホルモン。これが不足する甲状腺機能低下症橋本病など)では、全身の代謝が低下するので、疲れやすい、冷え、体重増加などの症状があります。一方、多すぎる甲状腺機能亢進症バセドウ病など)は、エネルギー消費が多量で、疲労感、イライラ、多汗、動悸、体重減少などが現れます。血液検査や超音波検査で診断します。


●不正出血は子宮がんかも


更年期の月経不順と間違えやすいのが、子宮がんによる不正出血。40代以降に急激に増え、50~60代でピークを迎えるのが、子宮内膜にできる子宮体がん。月経があるうちは、がん細胞が増える前に子宮内膜がはがれ落ちるので発症しにくいのですが、閉経後は月経によるデトックス機能がなくなりリスクが高まります。


●更年期症状と似ている他の病気

  1. 関節の痛みやこわばり → 膠原病やリウマチ (自己免疫によって炎症を引き起こし痛みが生じる疾患)
  2. 動悸や息切れ → 狭心症などの心臓病
  3. 頭痛やしびれやめまい → 脳梗塞や脳腫瘍、メニエール病
  4. 頻尿 → 過活動膀胱
  5. むくみ → 腎臓病、心臓病
  6. 咳 → 咳喘息
  7. じんましん → アレルギー、肝臓機能の低下



3.ホルモンバランスのセルフケア

専門家や薬の助けを借りるのも大切だけれど、まずはセルフケア。生活を“menopause style”にチェンジしましょう。


●快眠

更年期の症状で一番多いのが不眠や眠りの浅さで、これは自律神経のバランスがとれずに陥りがちな症状です。質の良い睡眠をとるのはとても重要ですが、あまりに固執すると、逆に不眠が続くことも。 副交感神経を優位にするべく、リラックスできる環境を作ってみましょう。お気に入りのパジャマ、好きな香り、リラックスできる音楽、ふわふわの布団と心地いい枕…など。寝る直前の飲食や、スマホは厳禁です。


●適度な運動

運動がカラダにいいというのは、耳にタコ。でも、とりわけ、更年期に適度な運動が必要なのは、血流をよくして、ストレスを発散することが自律神経のバランスを整え、女性ホルモン低下に負けない体を作ってくれるから。マラソンなどの激しい運動は、活性酸素を増やしてホルモンバランスを整えてくれないので、更年期世代には逆効果です。ウォーキングやヨガなどのゆっくりした有酸素運動がオススメです。


●食生活

女性ホルモンの低下や加齢による体の変化はあるものの、やはり、人体は自分が選んで食べたものでできています。不調を訴える前に、食生活をしっかり見直しましょう。タンパク質、鉄分、食物繊維、発酵食を十分に摂れる腸活レシピをご参考に。


●体温UP

がん治療としても使われている全身温熱療法は、自律神経のバランスを整えるのが一番のポイント。つまり、体の深部の体温を上げることで、病気を招きやすい体内環境を改善します。毎日の入浴で、39℃程度のお湯にに10分間つかるだけでも体温は1℃上昇します。


●呼吸

ストレスがあると、呼吸は無意識のうちにどんどん浅くなります。深呼吸しながら、腹式呼吸をするだけで、自律神経のバランスが整い、副交感神経を優位にしてリラックスした状態になります。また、血流もよくなり、冷え改善にも効果的。好きなアロマテラピーの香りの助けを借りるのもGOOD!


●ときめく♡

自分の思考パターンの点検をしてみましょう。癖で、ネガティブな思考パターンを持っていると更年期の症状もさらに悪化します。謙虚とネガティブは別もの。趣味を増やしたり、好奇心を持ってみたり、恋をしたり、ドキドキワクワクしてはしゃいだりするポジティブさも、ホルモンアップにつながります。


●サプリメント

健康な体づくりは食生活が基本ですが、不足分を補給するのにサプリメントはとても有効的。成分に添加物が入っていない自然の食品に近いものを選んで補給して。





田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】
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