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妊娠力アップのためには男性ホルモンも必要|栄養素と血液循環力も高めて

妊娠は、男女の力が重なってはじめて奏でることのできる神秘の世界。生命を生み出す「妊娠力」のカギとなるのが「ホルモン」「栄養素」「血液」。この3つがきちんと循環することで妊娠力はアップします。その詳細をご紹介します。


目次

  1. 妊娠力アップ:【ホルモン】POWER
  2. 妊娠力アップ:【栄養素】POWER
  3. 妊娠力アップ:【血流】POWER



1.妊娠力アップ:【ホルモン】POWER


着床力と育む力に必要な【3つの性ホルモン】


女性ホルモンには、エストロゲンプロゲステロンがあります。エストロゲンは、排卵前の準備として、受精卵が着床して育つベッドである子宮内膜の増殖などに、プロゲステロンは、排卵後の準備として、受精卵が子宮内膜に着床しやすい状態に導き、妊娠の継続などに関与しています。



もう一つの大事なホルモンは、男性ホルモンテストステロンです。精子の質に重要で、受精卵の着床力に大きく関係しています。

テストステロンは、ライディッヒ細胞と呼ばれる精巣の精細管の付近から分泌され、精子形成促進男性機能の増進精力増強性欲亢進などに関与しています。テストステロンの分泌量は、上図のように女性ホルモンのような波の変動はありませんが、夜眠っている間に分泌されて昼の活動で消費されていきます。


3つのホルモンの分泌向上に必要なもの


エストロゲンとプロゲステロンの分泌向上に必要なもの

  • 良質な睡眠・栄養バランスが整った食生活・冷え対策


テストステロンの分泌向上に必要なもの

  • 亜鉛の摂取・睡眠時下の確保・筋力トレーニング


3つのホルモンの分泌向上に必要な共通の生活習慣

  • 自律神経を整える


自律神経が乱れると、ホルモン分泌の司令塔である視床下部に影響を及ぼし、下図のホルモン系統に乱れが生じてしまうから。



自律神経を乱す主な原因


  1. 過度なストレス
  2. 睡眠不足
  3. 冷えホルモンは血液循環の流れに乗って全身へ巡るので、冷えによって血流が悪化するとホルモンの循環がうまくいかないから


分娩力ホルモン=【オキシトシン】


オキシトシンは、母体の視床下部で合成されて下垂体から血中に分泌されるホルモンで、分娩時に分泌されます。膣の圧迫や、子宮の平滑筋収縮により分泌され、分娩を促進したり、母乳放出を促進したりと分娩をスムーズに進めるためにとても重要なホルモンです。


2.妊娠力アップ:【栄養素】POWER


妊娠力を上げるための食事の基本6項目


  1. 1日3食バランスのよい食事をとりましょう。
  2. 不足しがちなビタミン・ミネラルを十分にとりましょう。
  3. 妊娠高血圧症候群予防のため、食塩は控えめにしましょう。
  4. たばこ・アルコールはやめましょう。
  5. 適正体重管理のために、油脂類・糖類は控えめに。
  6. 便秘予防のため、1日1回排便の習慣をつけましょう。


注意が必要な栄養素


●糖質・タンパク質・油質

不足すると低体重児につながり、胎児の知能の発達や発育に影響を及ぼしますが、過多は、巨大児になると難産になったり、妊娠高血圧症候群や妊娠時糖尿病になると、血液循環がおこり胎児の脳に影響を及ぼすことがあります。


●鉄

鉄は、子宮内膜をつくる材料になり、受精卵瘀着床力アップに作用します。また、妊娠中に血液が希釈されたり、胎児に優先的に血液が送られるので貧血になりやすく、赤血球の材料である鉄を多く含む肉や卵黄、大豆製品などを積極的に摂取しましょう。


●葉酸

葉酸は、胎児の脳の発育を助けたり、神経組織をつくる働きがあり、妊娠初期に不足すると神経管閉塞障害の発症リスクが高まります。葉酸は、ビタミンB12と共に造血作用が働くため、一緒に摂取しましょう。


3.妊娠力アップ:【血液】POWER


血液循環は、私たちの体の生命線です。血液は、個々の細胞や組織に酸素や栄養素、ホルモンなどを運搬して、不要な二酸化炭素や老廃物を運び出しています。


一般的に、血液循環の力は、血液量や血液粘度などが関係しています。


栄養不足や貧血などで血液量が不足すると、脳は生命を守るために心臓や腎臓などに血液を優先的に送ろうとするので、優先順位の低い卵巣や子宮などへの血流は滞ってしまいます。


血液循環が悪化すると…


●母体への影響

卵巣の機能が低下して、卵子の質の低下や排卵障害。また、子宮内膜の環境悪化から受精卵が着床しづらくなったり、切迫早産や難産につながることがあります。


●胎児への影響

胎児は母体から胎盤を通して酸素や栄養素を取り込んでいるため、母体の血流が悪化すると発育不全や低体重につながります。


血流アップの方法


  1. 入浴は湯船につかるようにしましょう。
  2. 衣類は体を締め付けるものを避け、体を冷やさないようにしましょう。
  3. バランスのよい食事をとりましょう。(ビタミンCやビタミンE、パントテン酸など血行促進に効果のあるものを
  4. 適度な運動をしましょう。
  5. ストレスをためこまないように。(ストレスが多いと、交感神経が優位となり、血管が収縮し、血行不良になります。また、ストレスは白血球の粘着度が増して、血液をドロドロに
  6. 質のよい睡眠をとりましょう。(自律神経のバランスを崩すと血流を悪くする
  7. 禁煙しましょう。


まとめ

  • 女性ホルモンのエストロゲン・プロゲステロンと男性ホルモンのテストステロンの分泌を向上させることが重要。その為には、自律神経を整えること。
  • 母体と胎児のためにも過不足なくバランスのよい栄養素を摂取することが重要。
  • 血液循環の力は、血液量と血液粘度が重要。




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田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】
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