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リーキーガット症候群(腸もれ)が増えている?健康へのリスクと改善方法

アメリカなどではかなり研究が進んでいるものの、日本ではまだあまり知られていない「腸もれ」。もしかしたら日々感じている体の不調や病気の原因が、自分の腸の「腸もれ」にあるかもしれません。美腸活推進のインナーケアラボで、詳しくご紹介します。




1.「腸もれ」ってナニ?


腸もれとは?

リーキーガットシンドローム【Leaky Gut Syndrome(LGS)=腸管壁浸漏症症候群】のこと。

小腸の粘膜に穴があいて、そこから毒素や細菌、未消化の食べ物が血液中にもれ出てしまう現象。

腸に穴があくというと、どれくらいの大きさの穴があくと思いますか?肉眼でもわかるような穴がボコッとあいているわけではありません。小腸にそんなに大きな穴があいていたら人は死んでしまいます。


腸もれによって生じる穴は、腸粘膜の細胞と細胞の間にできるごく微小なものです。


小腸の腸壁は「絨毛(じゅうもう)」と呼ばれるひだの突起でびっしり覆われています。このひだを広げたら、テニスコートの広さになると言われていて、その絨毛の突起の一つ一つは「微絨毛」というさらに細かいひだでびっしりと埋め尽くされています。


腸もれの穴は、この微絨毛を形成している細胞と細胞の隙間に生じます。様々な要因により腸が疲弊してくると、細胞と細胞が接している結合部分(タイト・ジャンクション)がゆるんでくるので、この隙間が穴のようにどんどん広がっていくのです。 ひどい人の場合には、無数の小さな穴があいていると考えられています。



2.「腸もれ」が引き起こす症状・疾患


腸もれ(LGS)が引き起こす不調症状


  • 下痢
  • 便秘
  • 消化不良
  • 胸やけ嘔吐
  • 吐き気
  • 鼻づまり
  • 疲労感
  • 原因不明の微熱
  • 免疫力の低下
  • 落ち込みやイライラ・不安感や意欲低下などの精神不安など


腸もれ(LGS)が引き起こす疾患


  • 食物アレルギーをはじめとしたアレルギー疾患
  • 喘息
  • アトピー性皮膚炎
  • セリアック病
  • 動脈硬化
  • 糖尿病
  • 肝機能障害
  • 甲状腺機能低下症
  • 過敏性腸症候群
  • 炎症性腸疾患
  • 慢性疲労症候群
  • 自己免疫疾患
  • 認知症
  • うつ病・統合失調症・自閉症・ADHD(注意欠如、多動症)など


腸もれが起こす最大の健康リスクは、「異物の侵入を許してしまうこと」です。

腸にあいた穴から、

  • 未消化の食べ物
  • 毒素や腐敗物
  • 病原菌・ウィルス・微生物
  • 生きた腸内細菌

が入り込み、腸壁の毛細血管から血流に乗って全身に運ばれてしまい、これらの侵入者を駆逐するために白血球が活躍して、体のあちこちで、「侵入者vs白血球の戦闘」が繰り広げられることになります。


その結果引き起こされるのが「炎症」です。この炎症が、体各所の臓器の組織を傷つけて上記のようなさまざまな不調や病気を引き起こします


例えば、血管内で炎症を引き起こした結果、糖尿病や動脈硬化につながり、脳で炎症を引き起こした結果、認知症やうつ病、自閉症やADHDになる、とアメリカでは多数の事例が報告されています。


3.小腸の5つの機能とは


小腸の5つの機能をおさらい



腸管は、「内なる外」といわれ、口から肛門までをつらぬく1本の管で、外の世界とじかにつながっている器官です。有害物質を排除する防護壁の役割のある小腸の粘膜は、人体の中でもっとも新陳代謝が活発な部位であり、わずか1日で新しい細胞に入れ替わっていきます。これが、「小腸ガン」が発生しない理由です。


  • 機能1:食べたものを分解して消化し、栄養を吸収する。
  • 機能2:老廃物を除去して便の元をつくる。
  • 機能3:有害な物質をシャットアウトする。
  • 機能4:免疫システムの約7割を受けもつ。
  • 機能5:各種ビタミンやホルモン(セロトニンやドーパミンなども)を合成する。



4.現代人の小腸が弱っている7つの理由


現代人の小腸が弱っている7つの理由とは


「腸もれ」は、一種の現代病のようなもの。昔は「腸もれ」になる人はほとんどいなかったはずですが、高度経済成長期以降、暮らし方や食生活が変わってきて、多くの人の大事な腸が弱ってくるようになり、今では、誰もが「腸もれ」と無関係でいられなくなったのです。

では、「腸もれ」が増加している(=小腸が弱っている)理由とは


  1. 除菌殺菌大好きな行き過ぎた清潔志向
  2. 糖質が多く、食物繊維の少ない食事
  3. 加工食品や添加物の継続的摂取
  4. 残留農薬野菜や遺伝子組み換え食品の摂取
  5. 抗生物質・痛み止め・ピルなど薬の多用
  6. 活性酸素の悪影響
  7. 慢性的なストレス&不規則な生活



腸内細菌の数と働きが重要なカギを握っている


人間の生命活動エネルギーを生み出す要の器官である、「腸」の機能を維持するために、約200種類・100兆個といわれる腸内細菌が、腸内で24時間働いてくれています。

工場や職場で例えるならば、優秀な作業員が数多くいると仕事もはかどり、売上利益も向上しますが、人数も少ないうえに怠慢で粗悪な作業員だと仕事もできず売上も上がらないのと、原理はまったく同じです。


腸内細菌は、腸粘膜の新陳代謝に深く関わっているため、腸もれを防ぐには、激減している有用な腸内細菌の数を増やし、腸内細菌が快適に働けるような環境を作ってあげて、腸内細菌が喜ぶ食べ物を与えてあげる(=食べる)こと。そうすれば上記の5つの機能が維持され、さらに心身ともに不調がなくなります。



まとめ

  • 現代病の一種である「腸もれ=リーキーガット症候群」は、小腸内に小さな穴があいて、そこから未消化の食べ物や毒素が入り、血流と一緒に全身に巡り、様々な症状を引き起こすこと。
  • 現代人の小腸が弱っている理由としては、除菌殺菌社会やストレスの外部環境と、添加物や遺伝子組み換え食物の摂取などが原因。
  • 腸もれを改善することは可能。腸内細菌の数を増やし、きちんと働いてもらうこと。


引用:「「腸もれ」があなたを壊す」藤田絋一郎著(永岡書店)



田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】
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