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大腸がんと腸内細菌(フローラ)の関係が明らかになりつつある!その解明とは

6月12日読売新聞(ヨミドクターyomiDR.+)に掲載された記事「腸内細菌と大腸がんの気になる関係」をピックアップいたします♪ ぜひお読みくださいませ。



1.腸内細菌と大腸がんの気になる関係

 

私たちの腸の中には約100兆個、重さ約1~1・5キロ・グラムにもなる細菌がすんでおり、「腸内細菌叢(腸内フローラ) 」と呼ばれている。その働きはまだ十分に分かっていないものの、腸内細菌叢の乱れが、様々な病気の発症と関係している可能性が指摘されている。


腸内細菌と大腸がんの関係について6月、興味深い研究成果が発表された。

大阪大学の 谷内田(やちだ) 真一教授(がんゲノム情報学、前国立がん研究センター研究所・ユニット長)らの研究グループによるもので、大腸がんの発症に関係する腸内細菌を特定したという内容だ。


米科学誌「ネイチャー・メディシン」に7日、掲載された。研究がさらに進めば、将来的には、便の中に含まれる細菌の種類や量を調べることで、大腸がんを早期発見できる検査法の開発が期待できるという。


患者616人分の便を分析


研究内容を紹介しよう。

対象となったのは、国立がん研究センターで大腸内視鏡検査を受けたがん患者ら616人。

食生活などのアンケート調査を行ったうえで、採取した便を凍結し腸内細菌のDNAを丸ごと調べるメタゲノム解析などを行い、患者一人ひとりの腸内細菌の状態を分析。

大腸内視鏡検査の診断結果と突き合わせた。

その結果、がんの進行度によって、便の中に増減している腸内細菌が大きく異なることが明らかになった。



細菌の増減は大きく二つのパターンに分かれる。


一つは早期の段階から増加して病気の進行とともに増えていくパターン

このパターンの多くの細菌は、進行した大腸がんで増えていることが既に報告されている。 

口腔内の歯周病の原因として知られている菌もそのひとつ。


今回新たに分かったのは、もう一つのパターンで、ポリープや粘膜内がんなど早期の段階でのみ増える

具体的に2種類の細菌が特定された。研究グループは、これらの細菌が、大腸がんの発症の初期に関係していることが強く示唆されたとしている。



原因なのか結果なのか


論文発表に合わせて国立がん研究センターで開かれた記者会見では、腸内細菌の変化は原因なのか結果なのか、という点に質問も相次いだ。


特定の腸内細菌が増えたり減ったりしたことが原因でがんを引き起こしたのか、がんを発症した結果として特定の菌が増えたり減ったりしたのかというもの。研究結果はあくまで、その時点での腸内細菌の状態を調べたもので、変化ががんの原因なのか結果なのかまでは分からないという。



ところで、細菌感染で引き起こされるがんと言えば、胃がんとピロリ菌の関係を思い出す人は多いだろう。


胃がんでは、抗生物質でピロリ菌を排除することで、発症を予防しようという除菌治療がすでに確立されている。一方、大腸がんの場合は、多くの種類の腸内細菌が複雑に影響していると考えられることから、胃がんの除菌治療のように単純にはいかないようだ。



腸内環境の改善でがんの発症予防にも


日本で1年間に大腸がんを発症する人は約15万人。がんの種類の中で最も多い。


今回の研究成果が期待されるのは、患者の便から腸内細菌の状態を調べることで、大腸がんの早期発見につなげられることだ。大腸がんは早期に発見できれば治る可能性が高い


さらに、まだ大腸がんを発症していなくても、がんになりやすい腸内環境を持つハイリスクの人を見つけ出すことで、がんの発症予防にもつながるという。


谷内田教授は「食生活を工夫することによって、がんになりやすい腸内環境を改善し、大腸がんの発症そのものの予防も期待できる」としている。




2.国立がん研究センターからの最新がん統計数字


2017年死亡者数上位


男性
女性
男女計
1位
大腸
2位
大腸
3位
大腸
膵臓
4位
肝臓
膵臓
5位
膵臓
乳房
肝臓




2014年罹患者数上位



男性
女性
男女計
1位
乳房
大腸
2位
大腸
3位
大腸
4位
前立腺
乳房
5位
肝臓
子宮
前立腺






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田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】
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