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脳力パワーアップできる方法あり!神経伝達物質5大ホルモン|セロトニン他

人間のカラダは、さまざまな器官が連携をとって生命活動を営んでいます。中でも脳は最も高度な活動をしている器官であり、その活動は脳内に張り巡らされた神経細胞のネットワークによって行われています。

その脳力を向上させるカギを握るのは、「神経伝達物質」と呼ばれる脳内物質です。この神経伝達物質の分泌を高めることができれば、脳力向上・病気の予防対策になります。脳力パワーアップのヒントをご紹介します。



1.脳の構造から


脳は大きく分けると「大脳」「小脳」「脳幹」によって構成されています。


大脳:脳全体の約8割を占める最も大きな部分で脳機能の中枢「思考・記憶・言語・運動

小脳:運動の機能の調節や、体のバランスを保つ働き

脳幹:脳の最新部に存在し、「呼吸・血液循環・体温調節・代謝」などの生命活動を維持するための重要な機能  

間脳】(視床)/(視床下部)【中脳】【きょう】【延髄】で構成。


2.脳を構成する「神経細胞」と「グリア細胞」


脳は、「神経細胞」と「グリア細胞」という2種類の細胞によって構成されています。その割合は、神経細胞が脳全体の約10%ほどであり、グリア細胞が約90%しめていますが、脳の活動の主役は、神経細胞です。


神経細胞(ニューロン)は、電気信号を発して情報をやり取りする特殊な細胞であり、グリア細胞は、神経細胞の間を埋め、神経細胞の活動を補助する細胞の総称のことをいいます。



シナプスの間には、1万分の1mm程のすき間が開いており、電気信号はこのわずかなすき間を越えることができないため、ほかの神経細胞に電気信号を伝えることができません。


そこで、シナプス小胞から神経伝達物質という化学物質を分泌し、化学信号として情報を伝え、再び電気信号へと変換されます。脳内では、このように電気信号と化学信号が巧みに変換されながら、無数の情報が伝えられています。


神経細胞の信号は、神経伝達物質自体の分泌量が増えるか、もしくは、受け手の受容体の数が増えることで増強します。 また、神経伝達物質と受容体は、鍵と鍵穴のような関係にあり、お互い決まったもの同士でしか結合できないようになっています。


3.脳力向上のカギを握る『神経伝達物質』

シナプス間の情報伝達を担う神経伝達物質は、50種類以上存在すると推定されています。その中でも、脳力向上に関連すると考えられる物質はこの5種類です。


●アセチルコリン

関連する感情や状態:記憶・ひらめき

関連する能力:記憶力


●ノルアドレナリン

関連する感情や状態:集中・恐怖

関連する脳力:集中力


●ドーパミン

関連する感情や状態:快感・やる気

関連する能力:学習能力


●セロトニン

関連する感情や状態:幸福感・落ち着き

関連する能力: コミュニケーション力


●メラトニン

関連する感情や状態:眠気

関連する能力: すべての能力


4.記憶力

どうやって記憶しているの?


長期記憶蓄積までの流れは下図のようになります。

 長期記憶蓄積フロー

 五感の情報

  ↓

 大脳皮質(担当領域)に伝える

  ↓

 海馬へ各情報が集められる

  ①  情報の整理、統合

  ②「記憶」の形成(短期記憶)

  ③「記憶」の取捨選択

  ↓ 

 大脳皮質(長期記憶が形成)



小脳に保存される記憶は


箸の持ち方や、自転車の乗り方、ピアノの弾き方など言葉にできない体の動かし方などの記憶は、小腸に保存されます。 小脳は大腸に比べ、約10分の1程度の大きさしかありませんが、表面には多くのシワがあり、表面積は大脳の約75%にも達します。

さらに、大脳の神経細胞が約140億個であるのに対し、小脳には約1000億個以上の神経細胞が存在するといわれています。 この小腸の運動に対する記憶により、私たちは日常生活をスムーズに送ることが可能となっています。


記憶力UPには『アセチルコリン』


記憶した内容を脳の中で整理しているのがアセチルコリン。これは、レム睡眠のときに活性化されます。しっかり眠らなければアセチルコリンが活性化されず、記憶力を高めることができないので、記憶障害が発症するアルツハイマー型認知症の方では、脳内のアセチルコリン濃度が低下しています。


 ●アセチルコリンの分泌を高めるためには

  ⇒ レシチン」を補給する

    大豆や卵黄などに多く含まれています。


5.集中力

集中力UPには『ノルアドレナリン』


ノルアドレナリンは、集中や注意、覚醒、判断などの脳の働きに関与します。危機的状態に追いやられたときや、ストレスを受けたときに、ノルアドレナリンの分泌は高まります。ノルアドレナリンは、交感神経を働かせて体を活動モードに導くため、分泌が高まることで、心拍数と血圧は上昇し、脳や筋肉に十分な酸素や栄養が送られ、脳が一気に覚醒して集中力が高まります。


●ノルアドレナリンの分泌を高めるためには

  ⇒ フェニルアラニン」「チロシン」を補給する

    大豆製品や乳製品、肉、魚、ナッツなどに多く含まれています。

    フェニルアラニンやチロシンからノルアドレナリンを合成するには、

    ビタミンB6やビタミンCも必要です。


6.学習能力

学習能力とは、知識量のことではなく、学んだことや経験したことを自分自身の行動や思考、判断に反映し、活かすことのできる能力のこと。


未体験の状況に対して、結果を予測して合理的に考え対処するとか、長期的な展望を持って何段階もの計画を立てるとか、物事を相手の立場に立って考える、などは、大脳皮質で行われ、特に「前頭連合野」という部分が司っています。

やる気・思考・推測・判断力・情報処理能力もすべて前頭連合野のはたらき


前頭連合野は、額のすぐ裏側に位置し、大脳皮質の約30%を占める人間の脳の進化の過程で最も発達した部分です。


学習能力UPには『ドーパミン』


ドーパミンは、喜びや達成感、褒められたり愛されたりしたときの精神的な報酬などにより、大脳辺縁系にある「側座核」が刺激を受けることで分泌が高まります。 人が十分な報酬をもらわないと、やる気が起こらないのと同じように、脳にも報酬が必要なのです。


実現可能な目標を立てたときと、それを達成できたとき、ドーパミンは2度分泌されます。また、適度な運動後、気持ちがスッキリした時も分泌されます。


●ドーパミンの分泌を高めるためには

  ⇒ フェニルアラニン」「チロシン」を補給する

    大豆製品や乳製品、肉、魚、ナッツなどに多く含まれています。



7.コミュニケーション能力

コミュニケーション能力UPには『セロトニン』


コミュニケーション能力をUPさせるには、神経伝達物質「セロトニン」の分泌を高めることが重要です。

セロトニンとは、精神を安定させてくれる神経伝達物質です。ノルアドレナリンやドーパミンなどは、「興奮系脳内物質」と呼ばれますが、セロトニンはそれらの過剰な分泌を抑え、脳内物質のバランスをとる「調整物質」です。 セロトニンの分泌が高まった状態では、癒しをもたらし幸福感を与えてくれ、前向きな気持ちにさせてくれます。心が穏やかであれば、相手の話に耳を傾け、相手の気持ちに共感し、その結果コミュニケーション能力を高めることができます。

逆に、セロトニンが足りなくなると、感情の抑制がきかなくなってイライラしたり、相手に攻撃的になったりする傾向があり、精神が不安定な状態が続くうつ病では、セロトニンの分泌が低下しています。


●セロトニンの分泌を高めるためには

  ⇒ トリプトファンを補給する

    大豆製品や乳製品、肉、魚、ナッツなどに多く含まれています。

    セロトニンの合成には、トリプトファンだけではなく、ビタミンB6も必要


  ⇒ 朝起きて太陽の光を浴びる

   (視交叉上核に朝日の刺激が伝達されてセロトニンの合成がスタート)


  ⇒ リズミカルな運動をする




まとめ

これらすべての脳力を支える生活習慣のポイントを抑えておきましょう。

  • 脳力を高めるためには、規則正しい生活が基本。特に重要なのが「睡眠」
  • 睡眠不足は、すべての脳力を低下させる
  • 質の良い睡眠をとるためには、睡眠を促すホルモン「メラトニン」を分泌させる
  • 神経伝達物質の合成を促すためには、バランスの良い食事が大切
  • 神経伝達物質を合成する際、主な材料となるタンパク質をしっかり取りましょう
  • もう一つ重要なことはポジティブ思考






田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】
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