偉人の名言・格言に隠された深イイ話を解説|内面から綺麗になろう
嫌いな人こそ自分を磨いてくれる磨き石。嫌なことを云われた場合、その不快感の90%は自分自身が生み出しているというのが『90対10』の公式だそうです。
また。誰かの悪口を言っている人の話をよく聴いてみると、10%は悪口の対象者のことを言っているが、あとの90%は自分のことを語っているに過ぎないらしく、人の悪口を言うのは、何か心に満たされないものがあり、人の気を引いて「自分に目を向けてほしい」「もっと自分を大事にしてほしい」というメッセージなんですね。
1.「子は親の心を実演する名優である」
人は皆、心を映す鏡を持ち歩いています。
その鏡は不思議なことに、身近な人ほどよく映し出します。 配偶者はまさに相対の鏡であり、夫婦対鏡(ふうふたいきょう)といわれます。
相手の欠点がよく見えて、不足不満の気持ちが起こるという時は、その欠点なるものが自分の中に潜んでいる証拠。 (…「鏡」ですから。自分自身が投影されているので、自分の中に無いものは映らないです。)
鏡に映った自分の顔が汚れていたとして、その汚れをとろうとする時、鏡の(中の)顔をゴシゴシ拭く人などいないはず。(子どもでもそんなバカなことはしない。)その原理と同じで、相手の欠点を直したいとするときには、まず自分磨くこと。自分を正すこと。そうすれば、自然と相手が変わります。
では、配偶者が自分自身を映し出す鏡であるとすれば、子供は…
『子は親の心を実演する名優である(子女名優)』であると言われています。
これは丸山敏雄氏(倫理研究所)のお言葉ですが、私の大好きな言葉でもあり、詳細をお伝えすると
生まれて間もない子どもでも、母親が忙しい時には心が落ち着かず、両親に心配事があるとよく眠らぬ。
大きくなるにつれて両親がその年頃にした通りの事を繰り返す。また、今している事を行い、心に思っていることでさえそっくりそのまま親の身代わりに実演する。
それを知らずに、どれほど子どもに無理をいい、その個性を摘み取り、希望の芽生えを焼き枯らしたか知れぬ。(中略)
親たちは上べを飾り、人前をつくって上品に暮らしていても、子どもたちは、堂々と、包み隠しなく、親の心を実演する。
家は、その小さな名優(スター)の舞台である。
出典:丸山敏雄「万人幸福の栞」抜粋
まさに、思わず襟を正してしまう言葉。言葉の中に魂が宿るとはまさにこのことだと痛感します。 これこそまさに言霊真幸、日本は言霊の幸ふ国ですものね。
敷島の日本(やまと)の国は言霊(ことだま)の佐くる(たすくる)国ぞ
真幸(まさき)くありにこそ
出典:柿本人麻呂「万葉集」
2.自省自修の人:勝海舟
先ほどもお伝えしましたが、「他人を変えるより先ず自分を変えろ」とはよく言われますが、その実践のベースはただ一つ
「自省し、自分を改めること」
つまり。
「私が悪かった」の自覚をもつことをはじめることが第一歩です。
私が、わたしが…の「が」=「我」也。
我をとって、相手の我を優しく、温かく、包み込んであげれるような人になれることが人としての理想ではないでしょうか?
幕末に江戸無血開城を成功へと導き、江戸百万の町民を守った英傑:勝海舟は『自省自修の人』とも言われています。
彼が残した言葉の中に
人はだれでも、自省自修の工夫が大切だ。
人物になるとならないのとは、ひっきょう自己の修養いかんにあるのだ。
また、勝ち負けにこだわることなく、無心で事に当たれという至誠の真骨頂ともいうべき歌もあります。
世の中は浮かべる雲のあともなく
消ゆるのみこそまことなりける
というものがあります。 己を創り上げるのは自分自身しかない、ということであり、いかに日頃から常在戦場のつもりでどれだけ自らを修養しているか否かで、突然現れる人生の関を越えていけるかどうかにかかっている、ということです。
幼少期から苦難の連続だった勝海舟が歴史に残る偉業を成し遂げたというのはやはり、自らを追い込んで追い込んで強くなろうと自己修養しつづけた精神性の高さがあってこそ。
そして。
男の優しさというのは、そこに強さが加わらなければ、本当の優しさにならないということのように思います。
晩年の勝海舟って、優しさの奥に強さをあわせもつ表情をされている…ように見えるのは私だけでしょうか?
晩年の勝海舟