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NHKスペシャル「人体」でも紹介されたアレルギーの免疫力向上の鍵は”腸”だった

1/14放送のNHKスペシャル「人体 神秘の巨大ネットワーク」はついに【腸】がテーマで放映されます! 腸と腸内細菌の知られざるパワーを解明するのですが、アレルギー改善には腸の免疫力UPが絶対条件であることが証明されます。


ここ20年で急激に増えてきた病気が…「アレルギー病」。さらに、この10年で、有病率が2倍以上になっているのは、アトピーや喘息などの「アレルギー疾患」と「うつ病」です。


現在は、日本人の約30%がアトピー性皮膚炎や気管支ぜんそく、花粉症、食物アレルギーなどのアレルギー性の病気をもっていると言われています。


でも実は、アレルギーが起こるしくみは、全部同じ。しくみと治すための方法をご紹介します。



1.アレルギーがおこる仕組みは全部一緒


アトピーや花粉症、食物アレルギー等、各種アレルギーはそれぞれ原因となる物質や、症状の現れる場所が異なるので、個々のアレルギー病は別の病気のように見えますが、

アレルギーがおこる仕組みは実は、全部同じ。人間の体内でおこっていること自体は全部同じです。


例えるなら、お茶のようなもの。 お茶の木そのものは一種類で、製法により、緑茶になったり、紅茶になったり、烏龍茶になったりします。


アレルギーが西洋医学的アプローチだけで解決できないことは、すでに証明されています。


西洋医学が生み出したステロイドをはじめとする薬は、一時的に症状を和らげる対症療法にすぎず、根治治療にはいたりません。 これは、アレルギーに悩む方なら誰もが実感していること。


西洋医学ばかりに頼らずに、生活習慣から免疫システムに直接アプローチして、免疫力を高めていくことが必要です。


2.アレルギー発症のしくみ

以前にご紹介した「今さら聞けない\免疫力/「自然免疫」と「獲得免疫」の違いはナニ?」をご理解いただき、アレルギー発症のしくみを説明いたします。


①スギ花粉のような分子量2万近くの「抗原」が体内に侵入すると、リンパ球内のB細胞が、IgE抗体を産生します。


②このIgE抗体は、次に花粉が入ったときに攻撃を仕掛けるのが本来の役割なのですが、少しやっかいなのが、肥満細胞の表面にくっついたときです。


③鼻や口、皮下、気管支などの粘膜に存在する肥満細胞には、IgE抗体がくっつくカギ穴があり、そのカギ穴に、IgE抗体が付着して表面を覆います。


④その状態では、何も起きませんが、花粉などの抗原が飛んできて、2つのIgE抗体に花粉(抗原)などがつくと、肥満細胞が破れます。 


⑤その結果、破れた肥満細胞からはヒスタミンやセロトニン、ロイコトリエンなどをまき散らし、その刺激を受けた粘膜が炎症を起こします。

3.免疫力は腸内細菌がつくる

藤田絋一郎先生が長年の実験から、アレルギーを抑える特殊物質「DiAg」を発見されました。


そして、このアレルギーを抑える特殊物質「DiAg」を、腸内細菌が多量に産生することがわかりました。 

これは、抗原(花粉など)にも反応しない、「不活性の抗体」を多量に産生するということです。


つまり、この腸内細菌がつくる「不活性の抗体」は、肥満細胞をびっしり覆っても、スギ花粉やハウスダストなどの抗原に反応しません。だから、肥満細胞が破れてアレルギーを起こすことがないわけです。





抗生物質が免疫力を落とす!


風邪の時に病院で処方される抗生物質の作用は、細菌の活動を抑えることです。 しかし、本来、抗生物質は細菌にしか効果がなく、たいていの風邪はウイルス性なので、抗生物質はまったく効かないのです。


なぜ風邪のときに医師が抗生物質を処方するかというと、抵抗力が弱っている時は、ほかの細菌の影響を受けやすいので感染症の予防という意味合いで処方されます。しかし、風邪のときに抗生物質を使うと逆に、風邪が治りにくくなるうえに、体の免疫力が低下してしまうことが明らかになりました。


抗生物質は風邪の原因ウイルスに効かないばかりでなく、免疫システムに関わる他の菌にも作用して、その活動を抑制したり、腸内細菌のバランスを崩したりすることになるのです。


つまり、抗生物質によって腸内細菌が大幅に滅菌された結果、免疫システムが変調をきたし、アレルギー症状が誘発される危険があります。 しかも、抗生物質を使いすぎると、皮膚常在菌や腸内細菌などの一部が「耐性菌」に変異する場合もあります。



アレルギーは現代病


日本で初めてスギ花粉症の症例が認められたのは、1963年。今から約55年前のこと。その患者は、栃木県日光市に住む成人男性でした。

日光のスギ並木が植えられたのは、今から約400年近く前の17世紀前半、全長37km、約24000本です。もちろんそれ以前にも、日本にはたくさんのスギが植えられています。


人間の体は1万年前から変わっていません。つまり、スギ花粉は昔から飛散していたのにもかかわらず、昔の日本人はスギ花粉症にならなかったわけです。 ということから、逆説的に考えても、昔の人には、スギ花粉を異物として排除する機能が体内に備わっていたというのが自然です。


1960年代半ばといえば、ちょうど結核や寄生虫の感染者が減り、清潔志向が高まっていく頃。それと、同時に、その他の花粉症やアトピー、ぜんそくなどのアレルギー性疾患も猛威をふるいはじめた時期です。


清潔志向のいきすぎや、添加物で作られた体によくない食事、抗生物質の大量投与により、腸内細菌を減らしてきたことで、自分の免疫力が落ちて、アレルギー病やうつ病を発症してきたのです。



食物アレルギーは腸の状態が原因


食物アレルギー有病率は、乳児が約10%ですが、特徴的なのは、乳児の食物アレルギーの多くはアトピーを合併していることです。 アトピーが発症した場合には、食物が関係している可能性が高いので、食事との関係を調べてみることが必要です。


食物アレルギーが起こる発端は、原因食物のタンパク質を腸内でアミノ酸まで分解できず、タンパクのまま吸収してしまうことです。 それによって、抗体ができて、アレルギー症状が出現するのです。


乳幼児の場合には、母乳で免疫システムを整える前に、早くから離乳食を与えると、腸管を荒らしてしまった結果、卵などの食品のタンパクがそのまま吸収されてアレルギーを起こすのです。


大人になってから突然発現する場合には、腸の荒れているときに、ソバや牡蠣などの原因物質を食べたことが引き金になります。


4.アレルギー改善の方法

腸内細菌のさまざまなスゴイはたらきについては美腸活ページをお読みください。(腸内フローラを改善するカギを握る【黄金バランス=2:1:7】とは?)


最近の研究では、免疫力は腸内細菌がつくることがわかっているので、まずは、減ってしまっている腸内細菌を増やすことからはじめましょう。腸内フローラのバランスを改善しながら、腸内細菌が喜ぶ食物を食べて、もう一人の自分自身である腸内細菌を育ててしっかりはたらいてもらいましょう!


NO!

  1. 除菌殺菌スプレーなどの多用による、抗菌キレイやりすぎ生活をやめる
  2. 抗菌剤や防腐剤などの食品添加物が入っている人工的な食べ物をさける
  3. 抗生物質(風邪薬や頭痛薬にも含有)をやめる
  4. 塩素の入った水道水の飲用・ウォシュレット(水道水使用)の使用をやめる

OK!

  1. 日和見菌(土壌菌)を増やしましょう
  2. 発酵食品(味噌や納豆など)を食べましょう
  3. ミネラル豊富な天然水を飲みましょう
  4. 十分な睡眠をとって、バランスのとれた食事をしましょう






まとめ

  • 現代病の一種であるアレルギー(花粉症やアトピーなど)の罹患数は増加の一方だが、西洋医学的アプローチだけで解決できないことは、すでに証明されている。
  • 発症の原因としては、腸内細菌激減による「免疫力の低下」
  • 対策ならびに改善方法としては、清潔志向生活の見直しや、添加物・抗生物質の回避・そして、腸内細菌を増やすことで腸内フローラを整える生活をするべし。


引用:「アレルギーの9割は腸で治る!クスリに頼らない免疫力のつくり方」藤田絋一郎著(だいわ文庫)



田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】
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