疲労感が蓄積すると老化が早まる!寝ても疲れがとれない…その原因とは?
長時間座りっぱなしでパソコンに向かってデスクワーク→仕事帰りに運動不足を解消しようとジムでトレーニング→疲れた体をほぐしたいと熱めのお風呂に入浴し汗をたっぷりかいて一日を終了・・・といった生活を送っていませんか? これは「疲れの足し算」と言われ、疲労蓄積生活になっています。「疲れ」についてまとめてみました。
1.“ 疲れ ”とは、【脳の疲労】のこと
「あーー疲れたーー」という時、例えば、マラソンをして足の筋肉が疲れた、とか、長時間パソコンに向かって目が疲れた、と体の使った部分が疲れていると思いがちですが、疲れているのは、体ではありません。
疲れる部分はただ一つ、「脳」。具体的にいうと、「脳の自律神経の中枢が疲れている」のです。
例えば、運動や入浴をすると呼吸や心拍、体温などを調節しなければならないため、脳の自律神経中枢がフル稼働します。 また、パソコン作業などの際には目のピントを合わせるのも自律神経なので、このときも、酷使されるのはやはり自律神経です。
こうして自律神経が疲弊すると体内で活性酸素が発生し、細胞が酸化ストレスにさらされます。その結果、細胞が本来の機能を維持できなくなり、思考力や注意力が低下したり、動作が緩慢になったり、目のかすみ、頭痛、肩こり、腰痛などの症状が現れます。これが疲労の正体です。
疲れが生じるメカニズム
①脳の自律神経中枢で酸素が大量の消費される
運動やパソコン作業、入浴など何らかの活動をすると脳の自律神経中枢が稼働して大量の酸素が消費される
↓
②自律神経の細胞で活性酸素が発生
自律神経の細胞で活性酸素が大量に発生します。疲れの直接的な原因になる物質は、実はこの活性酸素です。
↓
③活性酸素が神経細胞を酸化させる
大量に発生した活性酸素は、自律神経の神経細胞を酸化させ、サビつかせます。
↓
④神経細胞がサビつき、本来の働きを果たせなくなる
自律神経が本来の機能を果たせなくなり、疲労が生じます。たとえていうならば、サビついたチェーンでは自転車が動きにくくなるのと同じ。
|
2.疲れをとるコツとは?
自律神経には、活動モードのときや緊張状態のときに優位になる交感神経と、リラックスモードのときに優位になる副交感神経があります。 交感神経優位のときは、最大のパフォーマンスを発揮できるよう自律神経中枢はフル稼働状態になり最も疲弊します。
疲れをとるコツは、交感神経優位の時間を減らし、副交感神経を優位にする時間を増やすこと。
マラソンなどの激しい運動は交感神経を優位にし、活性酸素を大量発生させるので、オススメしません。 仕事で疲れた後に、ジムでランニングマシーンで頑張ったり、ジョギングをしちゃうと、疲労に疲労を重ねるだけで逆効果です。
また、脳の自律神経機能は加齢とともに低下し、疲れやすくなるので、中年以降の運動は要注意です!
自律神経のトータルパワー
10代をピークに年々減少し、40代になると半分、50代になるとさらに、20代のときの1/3にまで低下。
3.疲労回復の 「3」原則
① 高質の睡眠 ちょっとした工夫で眠りの質は高められる!
● 寝る前にコップ1杯の天然水を飲む
寝ても疲れがとれない原因の一つに水分不足があります。特に、睡眠中は体から水分が失われていますので、脱水症状になると、血圧や心拍を整える自律神経の負担が増えます。 これを防ぐためには、寝る前に常温の天然水を飲みましょう。水分補給されるうえに、副交感神経が優位になって寝つきやすくもなります。
● 太陽の光とともに起きる
私たちの体には生体リズムが備わっており、日が昇ったら目覚めて活動し、日が沈んだら眠って休むというもの。このリズムに沿った生活をすることは自律神経を整えることにつながります。疲労回復に必要な睡眠時間は最低5時間です。
● 足が冷える場合、足首だけ温める
眠気は、手足などの末端から熱が放散されることで体の内部の体温、つまり深部体温が下がったときに訪れます。靴下をはいて寝ると、足からの熱放散が妨げられ、深部体温が下がらず寝つきが悪くなり、、疲れもとりにくくなります。冷え性の人は、レッグウォーマーで足首だけ温めるのが正解。足首の血流がよくなると、足から熱が拡散されやすくなり、スムーズに寝つけて睡眠の質も上がります。
②「香り」を取り入れてみる アロマの医療効果
精油に含まれる香気成分は、わずか0.2秒で脳に直接届き、自律神経や内分泌作用に影響を及ぼし、心身にさまざまな効果をもたらします。 疲労回復にいいアロマの代表がラベンダーですが、ラベンダーの酢酸リナリルという成分が自律神経系にはたらきかけ、ストレスホルモンを減少させることが証明されています。
におい分子と呼ばれる化学物質が鼻の嗅細胞の嗅神経を刺激して電気信号を発生させ、その信号が脳の嗅球という部分に伝わると脳が「におい」として感知。においは脳の深い部分の視床下部や大脳辺縁系に直接作用し、効果を発揮します。
③ 食べ物 疲労回復に効果がある食べ物をチョイス
● 酸っぱいもの(クエン酸)
栄養をエネルギーに変換する回路(クエン酸回路)があり、そのスピードを上げてエネルギーをより早くたくさん生み出せるようにはたらき、疲労を回復するのがクエン酸。 老廃物や疲労物質の排出を促す効果があるのもクエン酸の大きな効果。 レモンや梅干し、酢などの酸っぱいものに豊富に入っています。
●サバ缶
ブームになっているサバ缶。サバは優秀なタンパク質源であり、脳を活性化するはたらきのDHAや、血管を健康に保つ働きのEPAも豊富。DHAやEPAは、中性脂肪を抑えることでも注目。また、血液中の赤血球をしなやかにし、血の巡りをよくする効果があり、酸素が全身にいきわたりやすくなります。その結果、ミトコンドリアでエネルギーが円滑に生み出されるようになり、疲労回復を促します。
●鶏むね肉(イミダペプチド)
意外にも疲労回復に最もよい食材が、鶏むね肉。イミダペプチドという成分は、鳥の翼の付け根の筋肉に多く含有されていて、疲労回復効果が証明されています。イミダペプチドが、人間にも効果があることが証明され、脳の自律神経に発生する活性酸素を消し、疲労を防いでくれます。