
健康関連新着情報 MAY
気温の落差が激しい日もありましたが、一年で最も過ごしやすい5月。湿度も高くない、カラッとした晴天が続くと、気持ちまで明るくなりますね。
外出するのに最適な季節ですが、紫外線も多い時期です。紫外線による肌のダメージを防ぐために、メラニン色素の生成を抑えるビタミンC、細胞の酸化を防ぐビタミンEをしっかり取るように心がけましょう。
目次 |
1. 流行中の『はしか』に注意!!
子どもの頃にはしかに罹患済の方は多いかと思いますが、一般的には子どもがかかりやすい病気ですが、近年では大人の感染者が増加しています。
はしかはウイルスによる感染症ですが、感染力が非常に強く、重症化したり合併症を引き起こすことがあり、現在も致死率は1000人に1人と高く、世界的にも警戒されている感染症です。
年初からの累積報告数は、5月までに170件を超え(国立感染症研究所)、今年は例年になく沖縄県を中心に全国的に感染が広がっているため注意が呼びかけられています。
『はしか』とは
はしかは医学的には「麻疹(ましん)」と呼ばれるもので、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる感染症です。
麻疹ウイルスは人のみに感染するウイルスであり、感染発症した人から人へ感染していきます。感染力が非常に強く、免疫を持たない人が感染すればほぼ確実に発症するとされています。
また、一度感染して発症すると一生免疫が持続するといわれています。
●感染経路
- 空気感染(空気中を漂うウイルスを吸い込むことによる感染)
- 飛沫感染(感染者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる感染)
- 接触感染(ウイルスが付着した手で口や鼻に触れることによる感染)
●潜伏期間 10~12日間
はしかの症状
10~12日程度の潜伏期間の後に症状が現れ始め、これを「カタル期」といい、その後「発疹期」「回復期」へと移行します。
<カタル期>
鼻水やくしゃみ、咳、38度前後の発熱など風邪に似た症状が現れる。口腔内の粘膜の発赤などが目立つようになり、やがて口腔内粘膜に白いブツブツがみられるようになる。3~4日程度続く。
<発疹期>
3日程度で一旦熱が下がるが、約半日後に再び39度以上の高熱が出て、同時に赤く盛り上がる発疹が体中に現れる。
<回復期>
発疹が出始めて3~4日程度で熱が下がり、発疹は黒ずんだ色へ変わっていく。
症状は10日~14日程度で治まりますが、回復後も免疫力の低下が続くため、しばらくは他の病原菌による感染症に注意が必要です。
体力の回復には1カ月ほどを要することもあります。また、肺炎や中耳炎、脳炎などを合併することがあり、特に大人になってからかかると重症化しやすいので注意が必要です。
はしか予防のポイント
麻疹ウイルスは感染力が強いため、手洗いやマスクのみでは予防することができません。
感染を予防するためには、ワクチン接種が最も有効です。
日本では1978年からはしかの予防接種が定期接種となり、1990年からは1歳と5~7歳の2回の予防接種が行われるようになりました。
ただし、29~40歳の人は、定期接種が1回であり、さらに接種率も低かったため免疫が十分にない場合があります。
つまり、29歳~40歳の人が感染リスク世代で注意が必要です!!
一方、41歳以上の人は、定期接種は受けていないもののはしかに自然感染して免疫を獲得している人が多いため、感染リスクが比較的低いとされています。
感染リスクの高い20~30代で、はしかにかかったことがない人、予防接種を1回しか受けていない人は、ワクチン接種を検討しましょう。
また、妊婦が感染すると、流産や早産のおそれがあることから、特に妊娠を希望する女性は、免疫が十分あるかなどを医療機関と相談したうえで、必要な場合には、接種を受けることが重要です。
2.新聞掲載の健康関連情報
今月の読売新聞、朝日新聞に掲載された健康関連の新着情報まとめてご紹介します。
●血圧下げるワクチン、治験開始…1度の注射で効果持続(2018年5月2日 読売)
日本で開発された血圧を下げるワクチンの臨床試験(治験)が先月、オーストラリアで始まりました。
1度の注射で効果が一定期間続くもので、大阪大学発の医療ベンチャー企業「アンジェス」(本社・大阪府茨木市)が初めて開発し、2020年代前半の実用化を目指しています。
治験が始まったのは、血圧を上げる「アンジオテンシン2」という物質に対する抗体を作り、
この物質の働きを抑えるためのワクチン。遺伝子に働きかけて体内に抗体を作るDNAワクチンという新しいタイプです。
●在宅患者の体調、24時間把握…リストバンド型端末が脈拍数を自動送信(2018年5月8日 読売)
在宅医療を受ける高齢者向けに、腕に着けるだけで体調の変化が自動的に医師や医療機関に伝えられる機器を岐阜県の病院などが開発し、医療機器の認証を受けました。
認証取得は先月12日。一人暮らしの高齢者を訪問しなくても、効率的に健康状態を確認でき
るとして、医療機関や介護の現場などから「使用したい」との要望が寄せられているそうです。
高齢化が進む中、在宅医療を支援し、患者の安全性を高められると期待されています。
●アルツハイマー「前段階」の6割、3年以内に認知症発症…原因物質の蓄積で(2018年5月9日 読売)
脳内にアルツハイマー病の原因物質が蓄積していて、認知症の前段階といわれる軽度認知障害(MCI)と判定された日本人の6割が、3年以内に認知症に進行しているとの研究結果を、東大など38研究機関のチームが9日、米科学誌に発表しました。
日本人を対象に、MCIからアルツハイマー型の認知症への進行過程を詳しく分析したのは初めて。アルツハイマー病では、認知症発症の20年ほど前から、異常なたんぱく質アミロイドβが脳内に徐々に蓄積すると考えられています。
●はしかと風疹、予防接種を推奨…厚労省が指針見直し決定(2018年5月14日 読売)
厚生労働省は11日、麻疹(はしか)と風疹の流行を予防するための指針見直しを決めました。
専門家で作る小委員会に案を示し、おおむね了承され、ゼロ歳児や妊婦など予防接種を打てない人と接することの多い保育所や医療機関で働く人に対し、特に強く接種を推奨します。
沖縄県で今年3月以降、外国人観光客から麻疹の感染が広がったことや、2020年の東京五輪開催を踏まえ、空港職員などへの接種も推奨していくそうです。
●たんぱく質2種が体内時計を制御(2018年5月22日 読売)
多くの生物が持つ体内時計の仕組みでは、2種類のたんぱく質がそれぞれ時間を速めたり遅くしたりして約24時間の活動周期を決めていることがわかりました。 京都大学などのチームが発表する論文が22日、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載されます。
2種類のたんぱく質は1つの遺伝子から作られ、構造はほぼ一緒だが、正反対の役割を持つため、バランスよく働くと、1回の活動周期(24時間)の中で、時差ボケをなくしたり、好きな時間に眠れたりする薬などの開発につながるかもしれない、と将来に期待されています。