
健康関連新着情報 JUNE
今年は、例年よりも梅雨入りが遅く、雨が少ない6月でした。水不足の夏を懸念する声も多いです。一方で、例年以上に、「気象病」の症状の方が多く、体調を崩しやすいので、くれぐれもご自愛くださいませ。
1. 東洋医学から診る夏の食養生
6月は、6日芒種と、22夏至という2つの節気があります。今年は6月に入っても、雨が少なかったですが、いよいよ梅雨本番の季節になりそうです。 雨が多く、湿度が高く、体の中にも湿気が溜まりやすいので、体内の水分調節がうまくいかず、体がだるかったり、むくみやすくなり、気分も憂鬱になります。
身体に溜まった湿気のことを「湿」と呼び、湿が過剰に停滞して排出されにくい状態になっていることを「湿邪」といいます。余分な湿の排出を促して、高温多湿なこの時期を快適に過ごしましょう。
食養生のポイント
湿邪になると傷みやすい臓器が「脾」です。脾は、消化器官と深く関連する臓器娃、脾が弱ると消化吸収の能力が衰えて、食欲不振や胃痛、消化不良などを起こしやすくなります。 冷たい物の摂り過ぎや、必要以上の水分の摂り過ぎも、むくみやだるさ、胃腸障害の原因になります。お腹が張ったり、下痢などの症状も体内の水分が滞るために起こしやすくなります。
身体の熱を冷ます食材や、身体のむくみをとる食材を活用しましょう。
6月のおすすめ食材
●きゅうり
きゅうりは、「寒性」で気を降ろす作用があり、身体の熱を冷ます作用があります。そのため、身体の熱がこもりやすい夏やのぼせやすい人に向いています。
きゅうりはカリウムが多く含まれており、利尿作用やむくみを取り、ナトリウムの排せつを促して血圧を下げる作用があります。 また、ウリ科の野菜に含まれる「ククルビタシン」は、胃液や唾液の分泌を促し、食欲を増進させます。
●オクラ
独特のぬめりの成分はガラクタンやアラバン、ペクチンといった食物繊維です。これらの成分に
は、整腸作用があり、またコレステロールを低下させる、血糖値の上昇を抑えるなどの作用があり
ます。その他にも、オクラはカルシウム、鉄、βカロテン、ビタミンCなどを多く含み、栄養価も
高いので、夏バテ予防としても適した食材です。
2.新聞掲載健康関連情報
今月の読売新聞、朝日新聞に掲載された健康関連記事をご紹介します。
●スマホ「禁煙アプリ」、効果を確認…自宅や職場で支援可能(2019年5月31日 読売)
医療ベンチャー企業「キュア・アップ」(東京都)と慶応大は30日、スマートフォン(スマホ)で使うニコチン依存症の治療用アプリの有効性を、治験で確認したと発表した。医療機器として承認を得るため国に審査を申請中で、承認されれば治療用アプリとして国内初となる。同社は2020年の保険適用を目指している。治療用アプリは、患者が毎日入力する呼気中の一酸化炭素濃度などのデータを基に、スマホ画面に「ガムをかみましょう」などと禁煙を支援する助言を表示する。
●整形外科のロボット支援手術に初の保険適用(2019年6月5日 読売)
医療機器メーカーの日本ストライカーは、6月1日付で、ロボティックアーム手術支援システム「Mako(メイコー)システム」を用いた人工股関節手術への保険適用を取得した。同システムは、日本で初めて承認された整形外科分野でのロボティックアーム手術支援システム。2017年10月に薬事承認を取得している。保険適用されたのは、人工股関節全置換術。
●紫外線で傷ついたDNA、修復するしくみ解明(2019年6月19日 朝日)
神戸大や大阪大、東京大などの研究チームが、紫外線でDNAが傷ついたときに修理役のたんぱく質が傷を素早く見つけ、修復する仕組みを突き止めた。英科学誌ネイチャーに論文を発表した。皮膚がんの予防薬などにつながる可能性があるという。
3.手足口病に注意!!
手や足、口の中に発疹ができる手足口病の患者が西日本を中心に増加しています。
過去10年の同時期では、患者数が最も多く、夏場の本格的な流行に備え、専門家が注意を呼びかけています。 手足口病とはどのような病気か確認しておきましょう。
●手足口病の原因と症状
手足口病は夏季を中心に流行するウイルス性の感染症です。
原因ウイルスは「エンテロウイルス」と「コクサッキーウイルス」で、複数の種類があるため何度もかかる可能性もあります。
患者は、5歳未満の小児が大部分を占めますが、近年では大人の感染例が増加し、重症化する例も増えています。
<症状>
ウイルスに感染すると3~7日間の潜伏期間を経て、症状が現れます
●風邪のような寒気やのどの痛み、発熱
子どもは発熱しても高熱になることはまれですが、大人は40度近い高熱が出ることがあります。
●口の中や手足に発疹が現れる
白っぽい水ぶくれのような発疹が現れます。口内の発疹には痛みやかゆみが出やすく、特に
大人の方がひどくなる場合が多いです。
●口内炎ができる
口内の水疱がやぶれて口内炎になると痛みが出て、食事や水分が取りにくくなり、脱水症状を起こすことがあります。
手足口病に対する特効薬はなく、粘膜保護剤の軟膏や口内炎に対して鎮痛薬などが処方されます。
発疹の多くは1週間程度で自然に治癒しますが、大人の場合は2~3週間ほどかかる場合もあります。
まれに髄膜炎、脳炎などの合併症を起こすことがあるため注意が必要です。
また、症状が治まっても2週間から1カ月は人にうつることがあるので気をつけましょう。
●手足口病の感染経路と予防法
手足口病に有効なワクチンはありません。また、感染した場合にも特効薬がないため、感染
経路を把握し、しっかり予防することが大切です。
<感染経路>
●飛沫感染(ひまつかんせん)
くしゃみや咳の飛沫によって感染する。
●接触感染
唾液や鼻水に含まれるウイルスが、目、鼻、口な どの粘膜から感染する。ドアノブ、手すり、
便座、おもちゃなどを介して感染しやすい。
●糞口感染(ふんこうかんせん)
便の中に排泄されたウイルスが口から入り感染する。トイレの後、手洗いが不十分なまま食べ物を扱うことで感染する。特におむつ交換などで起こりやすい。
<予防方法>
●手洗いとうがいを徹底しましょう
●マスクを着用しましょう
●タオルの共用を避けましょう
●乳幼児のおむつ交換時は、使い捨てゴム手袋を着用し、交換後はしっかりと手洗い、手指の消毒をしましょう
●子どものおもちゃの貸し借りに注意し、念入りな洗浄と消毒を行いましょう
また、夏バテやストレスなどにより免疫力が落ちているとウイルスに感染しやすくなるので、日ごろから規則正しい生活を心がけ、予防に努めましょう。