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健康関連新着情報 MAY

沖縄ではすでに梅雨入りし、本格的な梅雨の季節が近づいてきました。この時期特有の気圧や気温の変化が激しいために自律神経が乱れやすく、体の不調へとつながっていきます。

そのため、いつも以上に体の声を聞いて、無理をしないでなるべく休息をとってくださいね。



1. 東洋医学から診る春の食養生


5月は6日立夏と、21日小満の2つの節気があり、気温が上がってきて過ごしやすくなります。しかし新しい環境に適応できずに精神的・身体的不調をきたす五月病に悩む人も多くなる傾向があります。この時期は、日頃からストレスを上手に発散して、血流を良くするものをとるようにしましょう。


食養生のポイント

春の終わりの今月も「肝」のはたらきを整えて「気」の流れをスムーズにする食材をとるようにしましょう。「肝」は、体全体の「気」の流れを調整する役割を担っていますが、ストレスの影響を受けやすい傾向にあります。

そのため、「肝」にストレスがたまって「気」の流れが滞ると情緒不安定、食欲不振、血行不良などの症状が現れやすくなります。 この時期は「肝」「気」を補う食材をとることが大切。また、「肝」を助けるためにも酸味を合わせて摂取するとさらに相乗効果でよくなります。


5月のおすすめ食材


●キャベツ

キャベツは、五臓六腑の機能を調節する働きがあります。特に、肝臓の機能向上、消化促進などの作用があります。キャベツに含まれるビタミンUは、市販の胃腸薬の重要成分でビタミンKとともに胃・十二指腸潰瘍の予防に役立ちます。また、グルコミノレートは、肝臓内にある有害物質を分解する酵素の働きを高めて、肝臓のはたらきを高めてくれます。



●グレープフルーツ

グレープフルーツは、寒性で体を潤し、気を降ろすなどの性質があります。また、気の巡りをよくして消化促進の働きもあります。グレープフルーツは、爽やかな酸味と柔らかな渋味が特徴です。この酸味成分であるクエン酸は、肝機能の向上、疲労回復、胃腸の粘膜保護などの作用があります。また、渋味成分であるリモニンは、肝機能の強化や発がん物質の体外排出などの作用があります。



●トマト


トマトの赤い色はリコピンという色素によるもので、リコピンには強力な抗酸化作用があり、老化
を防ぐ作用や、肌や皮膚を若々しく保つ美容作用、がん予防など多くの働きが注目を集めています。またトマトには、風邪の予防に効果的なビタミンC、脂肪の代謝を円滑にするビタミンB6、高血圧予防に役立つカリウムなどの栄養素が豊富に含まれています。さらに、水溶性食物繊維のペクチンが含まれ、便秘を改善するほか、老廃物や有害物質を排出する働きを促進します。






2.新聞掲載健康関連情報

今月の読売新聞、朝日新聞に掲載された健康関連記事をご紹介します。


●甘さ伝える神経、マウスから特定 哺乳類脳内で初(2019年5月9日 朝日)

マウスの脳内で甘味を伝える神経細胞を発見したと、生理学研究所(愛知県岡崎市)の研究グループが発表した。哺乳類の脳内で味覚を伝達する神経を特定したのは初めてだという。担当者は「肥満や糖尿病の人が甘いものを好む原因の解明に役立つ可能性がある」と期待する。



●「上は130、下は80未満」高血圧学会、目標を設定(2019年5月15日 朝日)

日本高血圧学会は4月、高血圧治療の指針を5年ぶりに改定した。新たに75歳未満の成人すべてが目指す降圧目標を設け、収縮期血圧130ミリHg/拡張期血圧80ミリHg未満と定めた。指針では、120/80未満を「正常血圧」とし、これまで「正常域」としていた130~139/80~89を新たに「高値血圧」と分類。薬による治療を始める目安となる高血圧症の診断基準は140/90以上で変わらない。



●白血病薬キムリア、保険適用決定 点滴1回、3千万円超(2019年5月15日 朝日)

厚生労働省は、従来の治療が効かなくなった白血病患者らへの新たな治療法として期待される「CAR(カー)―T細胞療法」の製剤キムリアについて、公的医療保険の適用対象とし、公定価格を3349万3407円にすることを決めた。キムリアは遺伝子治療技術を使う初の製品で、体内の異物を認識して攻撃する「T細胞」を患者から取り出し、がんを攻撃するよう遺伝子を加えて戻す。1度の点滴で済む。特定の血液細胞ががん化した白血病とリンパ腫の一部の患者が対象で、厚労省は年216人と見込む。



●WHOが認知症予防で初指針 有酸素運動1回10分以上(2019年5月21日 朝日)

世界保健機関(WHO)は、初となる認知症予防の指針を作り、公表した。習慣的な運動や禁煙、
血圧を適正に維持すること、生活習慣の改善などによる糖尿病治療などを推奨する。WHOによると
世界に現在、約5千万人いる認知症の人は、このままでは2050年に約3倍の1億5200万人になると推計されている。指針は12の項目で構成される。運動に関しては、65歳以上は認知機能の低下を防ぐため、1週間に150分以上の中程度の有酸素運動をすることを勧める。有酸素運動は1回に10分以上するとよいという。



3.食中毒に注意!!


食中毒は一年中発生していますが、入梅するこの季節は、食中毒の原因となる細菌の繁殖が活発になるため、食中毒が発生しやすくなりますので、予習しておきましょう!


食中毒を引き起こす主な原因は、「細菌」と「ウイルス」です。その違いについて。



<細菌>
温度や湿度などの条件がそろうと食べ物の中で増殖し、その食べ物を食べることにより食中毒を引き起こします。

<ウイルス>
自ら増殖しませんが、食べ物を通じて体内に入ると、腸管内で増殖し、食中毒を引き起こします。



特に6月から8月に多く発生するのが、細菌が原因で起こる「細菌性食中毒」です。食中毒を引き起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で活発に増殖し始め、人間や動物の体温くらいの温度で増殖のスピードが最も速くなります。



●腸管出血性大腸菌(O157、O111など)

牛や豚などの家畜の腸の中にいる病原大腸菌の1つで、O157やO111などがよく知られている。
加熱不足の肉や生野菜などが原因となる。食後12~60時間で、猛烈な腹痛、下痢、下血、
おう吐、吐き気などの症状が現れる。


●カンピロバクター

牛や豚、鶏、猫、犬などの腸の中にいる細菌。
加熱不足の鶏肉、牛レバー、飲料水などが原因となる。食後2~7日で、下痢、発熱、おう吐、腹痛、筋肉痛などの症状が現れる。


●サルモネラ菌

牛や豚、鶏、猫、犬などの腸の中にいる細菌。
加熱不足の卵、肉、魚などが原因となる。食後6~48時間で腹痛、下痢、おう吐、発熱など
の症状が現れる。


●ウェルシュ菌

人や動物の大腸内常在菌で、下水、河川、海などの土壌に広く分布。
カレー、シチュー、煮物など大量につくって加熱を繰り返す食品が原因となる。
食後8~20時間で、おなかの張り、腹痛、下痢などの症状が現れる。


●ブドウ球菌

自然界に広く分布し、人の皮膚やのど、傷口などに常在する細菌。
おにぎり、弁当類、菓子類などが原因となる。一度毒素ができてしまうと加熱しても食中毒を防
ぐことはできない。食後1~6時間で、吐き気、おう吐、腹痛などの症状が現れる。


食中毒予防をサポートする成分


生で魚介を食べるお寿司には、わさびやショウガを、また寿司飯には酢が使われていて、これらに含まれている成分には殺菌作用があることが知られています。伝統的な食べ物には、安全性を考えた食べ合わせが経験的に伝えられているのです。

食品中に含まれている食中毒防止に役立つ殺菌作用のある成分を利用しましょう。



●アリシン

にんにくやタマネギなどに含まる刺激臭のもとになるアリシンという成分には、強い殺菌作用や抗菌作用があり、食中毒の予防に役立ちます。


●酢酸、クエン酸

梅干に含まれるクエン酸や酢に含まれる酢酸には抗菌作用があります。



●カテキン、ポリフェノールなど

お茶に含まれる苦味成分のカテキンや、ココアなどに含まれるポリフェノールには、菌の増殖を防ぐ作用があるといわれています。
ショウガの辛味成分であるジンゲロンとショーガオールなどには防腐力があります。


田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】