
健康関連新着情報 NOVEMBER
冬本番が近付き、この時期に気になることと言えば、空気の乾燥ですね。
空気が乾燥すると肌と同様に喉の粘膜も乾燥します。喉は粘膜に覆われていて、空気中の雑菌やウイルスの侵入を防いでいますが、粘膜が乾燥すると、その働きが悪くなりウイルスなどを排除する機能が低下します。
空気の乾燥は美容面だけでなく、健康面でもトラブルが起きやすくなるので、喉の粘膜の乾燥を防ぐために、こまめなうがいや水分補給を心がけて、加湿器やマスクを使用することで湿度を保ちましょう。
また、ビタミンAには鼻や喉の粘膜を強化する働きがあります。
乾燥が気になる方は、ビタミンAを多く含むレバーやうなぎ、βカロテンを多く含むにんじん、ほうれん草、かぼちゃ、ブロッコリーなどの緑黄色野菜を積極的に取りましょう。
目次 |
1.冬の【かくれ脱水症】に注意!!
脱水症は暑い季節に起こるというイメージが強いですが、実は夏と冬の年2回ピークがあります。
脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高める危険な「冬のかくれ脱水症」に注意しましょう。
かくれ脱水症チェック
下記の症状に当てはまったら注意が必要です。
- 手先の皮膚がかさかさになる
- 口の中が粘る。食べ物がのみ込みにくくなる
- 食欲の低下などで、だるさを感じる
- 嘔吐や下痢がある
- めまいや立ちくらみがする
冬のかくれ脱水症の原因
冬の脱水症は、空気の乾燥により水分が体からじわじわと失われることで起こります。また、発熱や下痢を伴う感染症も体内の水分を不足させやすいです。
●湿度の低下
日本の冬は乾燥した気候が続きます。体にとって快適な湿度は50~60%ですが、冬場の湿度は50%以下になることが少なくありません。外気が乾燥すると、皮膚や粘膜、呼気などから、意識しないうちに失われていく水分が増えます。
特に室内は暖房機の使用や、昔より住宅の気密性が良くなったことにより、屋外より10~20%湿度が低下する傾向があります。
●脱水症に対する警戒心の低下
夏は汗をかくので、水分を補給しないと脱水症・熱中症になってしまうという意識が働きますが、冬は汗をかきにくいので、警戒心が下がりがちです。
また寒いから冷たい物は避けたいという理由で、飲み水の摂取を控える人も多いようです。
●ウイルス感染による発熱、下痢、嘔吐
冬場に流行するインフルエンザやノロウイルスは、発熱や下痢、嘔吐を伴いやすく、体内の水分や塩分が大量に失われて脱水症状になります。
水分が失われると血液がドロドロになり、血栓ができやすくなってしまいます。
冬に脳梗塞や心筋梗塞が多いのは、脱水によって血液がドロドロになることも原因の一つと考えられています。
2.かくれ脱水症の予防&対処法
●部屋の乾燥を防ぐ
室内が乾燥しない工夫をしましょう。できれば湿度計を設置し、50~60%の湿度を保てるようにしましょう。加湿器がなくても、ちょっとした工夫でも乾燥は防げます。
- 加湿器を置く
- 換気をする
- バケツに水をはり、タオルを半分つけておく
- 洗濯物を干す
- 石油ストーブにはヤカンをかける
- 飲み物や食べ物でこまめに水分補給
喉が渇いていなくても、意識してこまめに水分を補給するようにしましょう。
- 3度の食事やおやつのタイミングで
- 朝起きた時、夜寝る前、トイレに起きた時
- 水分や電解質が豊富な食べ物を食べるよう心がけましょう。
(ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜ミカンやリンゴなどの季節の果物)
<高齢者は要注意>
高齢者は、飲み物や食事量が減りがちです。喉の渇きを自覚しにくいという特徴から、かくれ脱水症になりやすいと言われています。部屋の乾燥を防ぎ、こまめな水分補給を意識して、かくれ脱水症にならないよう充分注意しましょう。
3.新聞掲載の健康関連情報
今月の読売新聞、朝日新聞に掲載された健康関連の新着情報まとめてご紹介します。
●聴力低下と社会的活動の減少で、要介護リスク2倍に(2017年11月2日朝日)
聴力の低下と、社会的活動の減少が組み合わさると将来、介護を必要とする状態になるリスクが高まる。
そんな調査結果を国立長寿医療研究センターと桜美林大学などのチームがまとめた。年とともに聴力は衰えていくが、外出や会話といった社会的活動を減らさないことが要介護状態にならないために大切という。
●認知症患者の割合、OECD加盟国で日本が最多(2017年11月13日読売)
日本の認知症患者の割合(有病率)は、経済協力開発機構(OECD)加盟35か国の中で最も高いことが10日、OECDが公表した2017年版の医療に関する報告書でわかった。
年齢が上がるほど認知症有病率は高まる傾向にあり、日本は世界で最も高齢化が進んでいるためとみられる。報告書によると、日本の人口に対する認知症有病率は2.33%で、OECD平均(1.48%)を大きく上回り、最も高かった。2位はイタリアの2.25%、3位はドイツの2.02%だった。日本の有病率は20年後の37年にはさらに上昇し、3.8%に達すると推定されている。
●うつ病治療にスマホアプリ、患者4割に改善効果…京大チーム開発(2017年11月16日 読売)
うつ病などに対する「認知行動療法」に患者が一人で取り組めるスマートフォン版アプリを、京都大学などのチームが開発した。薬が十分効かない患者の約4割で改善効果が出たという
認知行動療法は、患者自身がものの見方や問題に対処する選択肢を増やし、ストレスの低減を目指す治療法だ。本来は、精神科医らが患者と面接して行う。
うつ病や社交不安症などに効果があるが、時間や手間がかかることから実施する医療機関は少ない。そこで研究チームは、患者が一人で認知行動療法を受けられるアプリを考案した。