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健康関連新着情報 OCTOBER

毎年10月は「乳がん月間」です。乳がん検診の早期受診を推進・啓発するピンクリボン運動が世界で展開されていることをご存知ですか?


乳がんは、女性の部位別罹患がん患者数が最も多いがんです。早期に発見すれば90%以上は治癒するといわれているため、早期発見、早期治療が何よりも重要です。

しかし、検診で異常が見つかりにくい「高濃度乳房」というのが話題になっています。

「高濃度乳房」とはどのようなものか理解し、早期発見に役立てましょう。


目次

  1. 高濃度乳房とは
  2. 乳がん検診について
  3. 新聞掲載の健康関連情報



1.高濃度乳房とは


乳房は、主に脂肪と母乳を作る乳腺組織からできていますが、乳腺組織の密度によって4つのタイプに分類されます。


●脂肪性

乳房がほとんどを占めている。病変が見つけやすい。


●乳腺散在

脂肪の中に乳腺がまばらに存在している。病変が比較的見つけやすい。


●不均一高濃度

乳腺と脂肪が混在し、画像上不均一に見える。

病変が正常乳腺に隠されている危険性があり、病変が比較的見つけにくい。


●高濃度

乳腺内に脂肪はほとんどない。病変が見つけにくい。


不均一高濃度および高濃度のタイプを「高濃度乳房」といい、X線検査で病変が見つけにくい場合があります。


欧米人に比べて脂肪が少ない日本人は「高濃度乳房」の人が多いとされています。

また、乳房濃度には個人差があり、出産や授乳経験などのホルモン環境や年齢によっても変わります。

一般的には40歳代以下で出産や授乳歴のない人は、高濃度乳房の人が多く、逆に加齢とともに乳腺組織が萎縮し脂肪の割合が増えるため、高齢になるほど脂肪性乳房の人が多くなります。


乳がん検診について


乳がん検診の代表的な検査法としては、マンモグラフィ検査(乳房X線撮影)と超音波検査があります。


乳がん検診の種類



●マンモグラフィ検査


板状のプレートで乳房を挟み、X線で撮影する検査。乳がんの初期症状の1つである石灰化を写し出すことができるため、早期発見に有効。

ただし、乳腺も腫瘍も白く写し出されるため、高濃度乳房の場合には判別しにくくなる場合がある。


●超音波検査


乳房に超音波を当ててその反響を画像化して異常を調べる検査。小さなしこりを見つけ出すことができるが、初期の石灰化を写し出すことはできない。

乳腺は白く、腫瘍は黒く写し出されるため、高濃度乳房の人でも腫瘍が見つけやすい。


現在の乳がん検診では、40歳以上の女性に2年に1度のマンモグラフィ検査をすすめていますが、高濃度乳房の場合は、超音波検査の併用が望ましいとされます。


しかし、高濃度乳房は病気ではないため、多くの自治体では高濃度乳房でがんの見分けがつきにくかった場合でも「異常なし」と通知しています。


厚生労働省は、乳がん検診で異常を見つけにくい「高濃度乳房」と判定された場合、受診者に知らせる体制を整備する方針を決めました。

がんの見逃しリスクが高くなることを伝え、注意を促すのが狙いです。一部の検診センターでは、乳房濃度を通知し始めたところもあります。


検診を受けた際には、可能であれば自分の「乳房濃度」が高いか低いかを聞いてみましょう。高濃度乳房の場合は、乳がんが発見されにくい可能性があるということを理解し、検診だけでなく、定期的にセルフチェックを行うようにしましょう。



3.新聞掲載の健康関連情報


今月、読売新聞、朝日新聞に掲載された健康関連の新着情報をまとめてご紹介します。


●魚介類食べるとうつ病リスク軽減(2017年9月27日 朝日)



魚介類を1日に110グラムほど食べると、うつ病のリスクが下がるとの調査結果を国立がん研究センターなどのチームがまとめ、青魚に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)の影響とみられる。一般的にサバの切り身は80グラム程度、イワシは1匹80~100グラムという。



●働き盛りの30~40代、体力の低下傾向が深刻(2017年10月9日 読売)



働き盛りの30~40歳代の体力低下傾向が、ほかの世代よりも深刻であることが、スポーツ庁の調査で分かった。同庁が9日の体育の日に合わせ、2016年度体力・運動能力調査を公表。現行方式の体力テストになった1998年度以降の推移で、男性は30歳代後半~40歳代前半、女性は30歳代前半~40歳代後半で低下傾向が見られた。企業が社員の健康を推進する「健康経営」が広がりつつあるが、社員の運動参加を促す取り組みがさらに求められそうだ。



●中高年の骨折は「西高東低」 原因は不明(2017年10月13日 朝日)


骨粗鬆症で起こりやすくなる中高年の大腿骨骨折の人口あたりの割合は西日本で高く、北海道や東北地方で低いという調査結果を、骨粗鬆症財団や近畿大などの研究グループがまとめた。今回の調査では地域間の偏りの原因は、はっきりしていないという。

過去にはカルシウムの骨への取り込みを助けるビタミンKの血中濃度は東日本で高く、ビタミンKを多く含む納豆の消費量が関係するといった報告がある。

研究グループは食生活が影響する可能性も考えられるとしている。



田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

田和璃佳<日本美腸メソッズ協会代表>

美腸カウンセラー®/美腸をつくるたった2つの習慣で、免疫力up・美肌get・ヤセ菌増やして痩せやすい体を手に入れるoriginal『美腸Methods®』を全国に展開。 【藤田絋一郎先生(東京医科歯科大学名誉教授)監修】